北部地域森林計画で建設作業が進められている楚洲仲尾線やチイバナ線などの10林道について、県が費用対効果の数値算出で根拠にすべき基礎資料を所有していないことが分かった。県は基礎資料なしで算出した可能性も示唆している。林野庁のガイドライン(指針)では数値算出は基礎資料に基づいて実施することを定めている。
県は10林道とも事業実施の合理性があることを示す基準1・0以上の数値を付けており、基礎資料なしの数値算出の可能性が出てきたことで費用対効果の信ぴょう性が薄れ、林道建設の必要性の根拠が揺らぐ形となった。
18日、那覇地裁で開かれた同事業への公金差し止めを求める訴訟で、県側が基礎資料を所有していないことを初めて明らかにした。
費用対効果は公共事業費に対し、その事業がもたらす公的な機能や役割の割合を算出したもの。林道建設を所管する林野庁指針では数値が1・0以上であることを事業採択の要件としている。
県は北部地区での林道建設の費用対効果について、伊江原線で2・3、チイバナ線で1・85、楚洲仲尾線で1・51などと示し、いずれも事業の効果が費用を上回るとの数値を算出していた。効果を算出した理由として、山火事や土砂崩壊防止などの災害防止、水資源の管理といった機能を挙げている。
林野庁指針は災害防止などの事業効果について、過去10年間の周辺地域での災害発生状況といった基礎資料に基づく算出を求めている。県森林緑地課は「(基礎資料なしで算出したとしても)災害はどこで起こるか分からないので効果に算出した」と説明した。(島袋良太)
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