前原誠司沖縄担当相(国土交通相兼務)が、沖縄市の中城湾港泡瀬干潟埋め立て(東部海浜開発)事業について「1期(区)工事は中断、2期(区)工事は中止する」との考えを表明した。
民主党は昨年発表した沖縄ビジョンで「埋め立て事業中止を含めて『1期中断、2期中止』などと見直す。新規の埋め立ては行わない」と明記。先の衆院選のマニフェスト(政権公約)にも「不要不急の事業、効果の乏しい事業は政治の責任で凍結・廃止する」とうたっていた。
沖縄ビジョンやマニフェストで明示している以上、前原沖縄相が事業を抜本的に見直す意向を示すのは当然だ。
これに対し、東門美津子沖縄市長は、既に着工している1期工事の推進を要望しているが、見直し後の土地利用計画が固まっておらず、いまひとつ説得力に乏しい。
利用方法が判然としない中で、やみくもに埋め立てだけを先行させるのは、結果的に税金の無駄遣いになりかねない。
だからこそ、同事業への公金支出差し止めなどを求めた訴訟で那覇地裁は昨年11月「現時点において埋め立て事業に経済的合理性は認められない。支出は地方自治法などに反し違法」とし、県と沖縄市に今後の支出差し止めを命じる判決を下している。
沖縄市議会は18日の議決を含め、東部海浜開発事業の推進を求める意見書をこれまで6回にわたり可決した。
事業推進に合理性を持たせるには、東部海浜開発が、民主党の言う「効果の乏しい事業」に当たらず、地域活性化に大きく貢献する不可欠の公共事業であることを裏付ける必要があるだろう。
県、沖縄市、そして、地裁判決を無視して事業を推し進めてきた内閣府沖縄総合事務局は、前原沖縄相の意向をどう受け止めるのか。大臣の判断は重みがある。
沖縄相がまず重視しなければならないのは費用対効果だ。国の財政が逼迫(ひっぱく)する中で、膨大な事業費に見合った経済効果をもたらすのかどうか、十分な検証が欠かせない。
併せて自然環境保全の視点も極めて重要だ。泡瀬干潟は琉球列島で最大級の規模で、希少種や絶滅危惧(きぐ)種などの動植物が数多く生息している。生態系を破壊してまで実施する価値があるのかどうか、曇りのない目で見極めてほしい。
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