岡田克也外相の米軍普天間飛行場の嘉手納基地統合案を選択肢とする発言に対し、嘉手納町議会が抗議と発言撤回要求の意見書を全会一致で可決した。
宮城篤実町長も統合反対の町民大会開催を表明。沖縄市、北谷町も共同歩調の姿勢で、外相発言は同基地周辺自治体、住民から批判の集中砲火を浴びている。
嘉手納基地統合案は以前も浮上し地元の反対で立ち消えた経緯がある。町議会の意見書がいまさらの再提起を「町民、県民の心を踏みにじる非人道的な行為」と強く糾弾したのも当然だ。
民主党幹部の鳩山由紀夫首相、岡田外相らは繰り返し「県民の声を聞き」「沖縄の負担軽減」と発言してきた。しかし岡田外相の嘉手納統合発言は地元の声に耳をふさいだものとしか思えない。
特に外相の「沖縄に二つある大きな基地が一つになることは大きなメリット」の発言に違和感を覚える。両基地の実態を知る県民の多くは「基地が一つに集中する分、周辺被害は2倍以上に」と違う感覚で受け止めたのではないか。
普天間飛行場は2004年に米軍ヘリが墜落、嘉手納基地も1968年のB52爆撃機などの墜落事故と基地強化が続き、両基地ともに爆音訴訟が係争中だ。
両基地とも危険性と騒音が同居し、宜野湾市街の真ん中、嘉手納、沖縄、北谷3市町に囲まれる類似の地勢にある。近距離の両基地が合体すると嘉手納基地の現況を上回る危険極まりない基地になりかねない。
嘉手納統合案は県内移設ありきの発想を出ない。「県外・国外移転」を明記した民主党の公約を裏切るものだ。県民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるなら「県外・国外移転」の初志を貫くべきだ。
民主党が掲げる「対等な日米関係」、連立3党合意の「米軍再編見直し」は、沖縄に犠牲を強いる日米安保を見直すものと考える。
岡田外相は嘉手納統合にこだわる理由として「限られた時間」を強調している。しかし米軍再編を見直す決意なら必要な時間を惜しまず、本腰を入れて米側と交渉するべきだ。
鳩山政権は沖縄の民意に沿い、まずは「県外移設」を正面から米軍に要求するべきだ。宮城嘉手納町長の「首相として自身の地元が基地を引き受けるぐらいの発言を」の言葉をかみしめてほしい。
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