普天間移設問題に次いで、「沖縄問題」での鳩山政権の危うさがまた露呈した。
今度は国の出先機関の廃止に絡んで原口一博総務相が「沖縄総合事務局」廃止検討を打ち出した。
権限や事務は沖縄県に任せるという。事務局の約千人の国家公務員の扱いはどうなるのか。
生身の人間の生活がかかわる問題を将来の見通しも示さず、軽々に発言し現状を壊し続ける。これでは「改革」ではなく、「暴走」と批判されても仕方ない。
2001年の省庁再編で「沖縄振興策の後退はない」とされ、沖縄開発庁が廃止されたが、廃止後、国の沖縄振興予算は減少の一途で、今ではピーク時の約半分の2400億円台まで減っている。
原口総務相は総合事務局の廃止で権限を県に、沖縄予算に「ひも付き」でない「一括交付金」の導入を表明しているが、国の地方に対する約束などあてにならないことは小泉内閣の三位一体改革で経験済みだ。
地方への権限移譲の名の下で国業務の地方移転が進んだが財源移転は不十分で、各地で自治体財政の破(は)綻(たん)が相次いだ。結局は地方への国のツケ回しにすぎなかった。
そもそも、沖縄総合事務局は戦後27年間の米軍統治下で、戦後復興が遅れた沖縄の本土との格差是正、自立発展を図るために設置された沖縄開発庁の地方支分局だ。
その目的は、高失業、高財政依存、低自主財源、低所得、低貯蓄、低進学率など山積する「沖縄問題」の解決にあったはずだ。
だが失業率は復帰直後の2倍強で全国最悪、所得は全国最低、自主財源も増えず、財政依存度は全国の倍の水準のままだ。
事務局廃止の先には高率補助や復帰特別措置、沖縄振興計画の廃止も射程にある。
国は産業・雇用創出に失敗した責任を放棄し困窮する県民への給付金や支援を止めるようなものだ。
その上、県民が向かうべき豊かな島の理念や理想も示さず、組織・制度の改革を断行する。そんな「羅針盤なき政権」はごめんだ。
復帰後10兆円を超す国費を投入しながら、目標達成どころか逆行・悪化させた国の沖縄振興策の在り方、実施体制の検証と反省がまず先。その中で振興策の実施を担う沖縄総合事務局の功罪と存続の可否、あるべき姿を検証したい。
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