国連総会の第1委員会(軍縮)が、日本から提出された核兵器廃絶決議案を賛成170、反対2、棄権8で採択した。賛成国、共同提案国数ともに過去最多となったほか、最大の核保有国である米国が9年ぶりに賛成に回り、核軍縮機運の高まりを感じさせる。
安全保障理事会の決議のように拘束力はないが、9月に安保理で採択された「核なき世界」決議の理念を、国連全体で共有する意味は大きい。
気掛かりは、反対または棄権した国が少なからずいることだ。核保有五大国のうち、中国が「現実的でない」、フランスが「具体的な行動こそ重要」として棄権。インドや北朝鮮は反対した。
パキスタン、イラン、イスラエルは棄権し、事実上の核保有国や核開発国疑惑のある国で賛成した国はない。このほかキューバ、ミャンマー、ブータンが棄権した。
日本は唯一の被爆国である。その国が国連で「核兵器のない平和で安全な世界を目指す。すべての国がより現実的な手段と効果的な措置を取ろう」と呼び掛けたというのに、賛意を示せないというのはどういうことだろうか。
反対・棄権国はそれぞれ抱える事情があるのだろう。しかし、被爆国に言わせたら、それは「核保有・疑惑国のエゴ」にほかならない。国際社会の一員を自負する以上、いつまでも身勝手な対応は通用しないと認識すべきだ。
核廃絶決議を「現実的でない」と切り捨てるだけでは、事態は好転しない。どう実現するか知恵を絞り、提起し合って、実行に移すことこそが求められている。
確かに、日本は核廃絶を世界に訴えながら、一方で米国の「核の傘」に頼るという自己矛盾のような状況がある。
核を持たない日本の安全を、米国が自国の核で保障するという考え方が、冷戦終結から20年を経て通用するのかどうか。攻撃が始まれば結局、巻き込まれる。被爆の惨劇が再現しない保証はどこにもない。
決議採択を受け、日本の須田明夫軍縮会議政府代表部大使は「来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功への追い風になる」と評価した。
その思いがあるなら「核の傘」の是非もタブー視せず、論議したい。日本の国連提起に一段と説得力を持たせ、核軍縮機運をさらに高めることにもなるだろう。
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