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那覇地裁2人を「妨害」認定 高江ヘリパッド仮処分申し立て2009年12月12日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設をめぐって、反対する東村高江の住民ら14人を相手にした沖縄防衛局の通行妨害禁止などの仮処分申し立てについて、那覇地裁(平田直人裁判長)は11日、男性2人は妨害行為があったと認定した。その上で、座り込みなどの抗議行動は「一定限度の下に許容、尊重されなければならない」と指摘するなどし、ほか12人への申し立てを却下した。
 決定はヘリパッド建設工事に当たり、反対派は(1)通行妨害する形で車を駐車(2)工事車両の前に立ちはだかる(3)同車両の下に潜り込む―など「実力を用いて工事車両などの通行を阻止する行動を繰り返した」と認定した。その上で14人の行為を検討し、男性2人は「自らの実力による阻止行動に参加した」として「今後妨害する蓋然性(がいぜんせい)が認められる」とし、対象土地で座り込むなどの行為を禁じた。
 一方、現地での座り込みや工事中止の説得、抗議行動などについて「これらの行動自体をもって実力を用いた妨害行為ととらえることは慎重であるべきだ」とし「政治的な信条に基づく行為である限り、尊重されなければならない」などと指摘した。
 弁護団は座り込み行動などを尊重するとした今回の決定を一定程度評価しつつも、2人への妨害行為認定は「不当」とし12日に不服の申し立てに向け協議する。

◆抗議行動認める 問われる新政権の責任
<解説>
 米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設をめぐり、住民の反対運動が妨害行為に当たるかどうかが争われた沖縄防衛局の通行妨害禁止仮処分申し立てに対する決定で、那覇地裁は実力行使を認定した2人を除いては国側の主張をほぼ退けた。今回の申し立ては事実上、住民運動の排除を目的に国が司法を利用したといえるが、決定は政治的信条に基づく抗議行動は「尊重されなければならない」とし、座り込みや運動参加への呼び掛けなど住民らの抗議活動を認めた。
 当初、8歳の子どもも含め申し立てるなどした沖縄防衛局の手法に、住民らは「憲法で保障された正当な表現活動を萎縮(いしゅく)させる不当な行為」と強く反発した。
 米軍基地問題をめぐり国が住民を相手に司法の場で訴えるのは前代未聞。那覇地裁は決定で、ヘリパッド移設について「今なお打開を図る余地があり得るというのであれば、その糸口の模索がされるべきである」などとも指摘している。
 新政権には、住民への威圧ともいえる前政権の申し立てを検証することなく放置した責任が問われる。新政権は裁判所の指摘を重く受け止め、司法手続きではなく、事業そのものの再考も含め解決の道を探ることが求められる。
(謝花史哲)

<高江ヘリパッド決定要旨>
 主文
 1 (住民ら債務者14人のうち)2人は自らまたは第三者をして、座り込み、自動車の駐車、テントの設置その他の方法により沖縄防衛局(債権者)が通路として使用することを妨害してはならない。
 2 その余の申し立てをいずれも却下する。
 裁判所の判断
 1 沖縄防衛局が本件各土地についての物件的請求権(妨害排除請求権)の行使に当たり、これが制約されることはない。
 2 2人は事業に反対する立場を表明し、継続的に座り込みを行うとともに、実力をもってその通行を妨害した。したがって、2人の反対派における地位、事業の遂行阻止に向けられた積極的な言動、沖縄防衛局側の通行を実力をもって妨害した事実などに照らせば、2人は今後の工事を妨害する高度の蓋然性(がいぜんせい)を認めることができる。9人は座り込みを行い、インターネットを利用するなどして一般に座り込みへの参加を呼び掛け、工事の中止を説得、抗議、説明を求めたりすることなどのいずれかの行動に出ている。9人について実際に実力を用いて妨害した事実を認めるに足りる的確な疎明はない。上記の抗議行動等をしているとしても、これらの行動自体をもって、実力を用いた妨害行為ととらえることは慎重であるべきである。同局職員らに対する説得、抗議等をすることは、事業に反対する立場の者における政治的な信条に基づく行為である限り、一定限度の下に許容され、かつ、尊重されなければならない。3人は今後の通行妨害活動の根拠となるような具体的事実を認めるに足りる疎明はない。
 3 テントについて住民らに撤去義務を負わせる事実関係は認められない。
 4 事業の遂行に関し、政治的な動向によって影響を受ける一面があることは否めないところであり、実際にSACO最終報告で承認済みの事項についても、今や日本政府によるその履行が政治問題化していることは紛れもない事実である。そして、事業の工事について、今なお打開を図る余地があり得るというのであれば、その糸口の模索がされるべきであることはいうまでもない。しかしながら、本件申し立てにおいては、事業の工事に当たり、沖縄防衛局の物件的請求権の行使が認められる限度において、本来の保全の必要性を議論すべきものであるから、事業自体の当否を含めて、政治的な要因やそれによる影響を問題とするのであれば、両者の主張はいずれも失当である。
 5 一部の住民によって、現実に沖縄防衛局による通行が妨害されたことは事実であるから、その余の住民らについて、同局の疎明が不十分であったとしても、これをもって、申し立ての目的が住民らの表現活動に対する威嚇、恫喝(どうかつ)であるとは認められない。


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