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高江ヘリ着陸帯 看過できない国の司法利用2009年12月15日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 東村高江区への米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設をめぐり、住民の反対行動が妨害行為に当たるかが争われた沖縄防衛局の通行妨害禁止仮処分申請の決定があった。那覇地裁は、住民グループの共同代表2人の妨害行為を認定し、座り込みなどによる通行の妨害禁止を命じた。
 妨害行為を認定した2人を除き、国側の主張をほぼ退けたが、住民運動の廃除を目的に国が司法を利用した事実上の行為として看過できない。
 高江区へのヘリパッド移設は、米軍北部訓練場の一部返還に伴い1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に盛り込まれた。
 移設計画に対し、生活環境の悪化が懸念されることなどを理由に、同区は2度にわたって反対を決議している。
 住民の反対運動は、同一意見の下で行われる表現活動だ。表現行為は、精神的な自由権として優位性が認められている。制約は慎重に行われるべきものだ。
 法律の専門家は「実力行使に対する制限は当然という判断でなく、表現の自由の価値の高さに触れる必要があった」と指摘している。
 司法の判断が表現行為への圧力となり、住民運動が萎縮(いしゅく)すれば、住民の意思が行政に伝わらず、表現の自由が奪われかねない。
 国は住民運動に対し、妨害廃除として強制執行をする手段もある中で、なぜ司法に訴えたのか。司法決定で住民運動を抑え付け、行政への住民の抗議を裁判所に向け、かわす意図があるのなら正すべきだ。司法がそれを認めては、三権分立の姿勢も問われよう。
 鳩山政権で連立を組む社民党内からは、辺野古への基地建設同様に高江へのヘリパッドの建設は認められないと建設中止を求める声が上がっている。
 にもかかわらず、政府は前政権下で申請した仮処分を取り消すこともなく黙認してきた。鳩山政権のヘリパッド問題に対する問題意識が鈍いと言わざるを得ない。
 北沢俊美防衛相は10月に県選出・出身与党国会議員の要請に高江ヘリパッドの建設位置の変更による解決の可能性を提案し、住民に対する配慮を示したとされる。
 鳩山政権は、高江区へのヘリパッド移設問題についても再検証し、司法の決定で住民の声を封じるのでなく、住民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。


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