連日降り続いた雨がやんで青空が広がった8日、稲嶺進名護新市政がスタートした。普天間基地移設問題を最大の争点に、市民を二分した選挙戦から2週間。「雨降って地固まる」を予感させる船出となった
▼2008年7月に教育長を退任してから1年7カ月ぶりの市庁舎勤務。就任式では、旧知の職員たちを前にやや緊張気味だったが、「日本一の街づくり」を目指す決意は力強かった
▼移設問題に終止符を打つ意向の稲嶺市長。しかし、県外移設を約束したはずの鳩山由紀夫首相の対応は不透明だ。普天間継続使用も「あり得る」と語る岡田克也外相に至っては、逆ギレの感さえ漂う
▼「信念を貫く」と表明した稲嶺市長に、鳩山首相が5月末までにどんな結論を示すのか。曲折も予想されるが“閣内不一致”の無責任な発言にうんざりしている市・県民がいることを忘れてはいけない
▼市長選で名護市の民意は示されたが、1588票の小差だったことは確かだ。稲嶺市長がこの“もう一つの民意”とどう向き合い、市を一つにまとめていくか、これからが正念場だ
▼「稲嶺さんを支えていかなければ」。ある飲み屋で、道半ばで市政を去る島袋吉和前市長や副市長に、惜別の情を禁じ得ず涙を流しながら語る市職員がいた。稲嶺市長には、これまで続いてきた市民二分の悲哀にも終止符を打ってもらいたい。
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