昨年8月の衆院選で当選した衆院議員480人の資産報告書が公開された。国会議員資産公開法に基づくものだが、公開対象などをめぐり、常に問題が指摘される。
資産公開法では、対象を議員本人に限るなど、配偶者や扶養する子は対象外になっている。預貯金については、当座、普通預金の記載義務はなく、虚偽記載の罰則規定もない。報告書の閲覧は、衆参事務局で平日の日中だけだ。
「政治とカネ」の問題が指摘され続ける中で、政治家の資産をつまびらかにする資産公開の在り方が改善されないのは重大だ。
国会議員資産公開法は1993年に施行された。リクルートや佐川急便両事件で国民の政治への不信が深まったことを受けてスタートした。記載内容は、土地・建物や預貯金、有価証券、貸付金、借入金、ゴルフ会員権など。
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題では、小沢氏の家族名義の資産が一つの焦点となったが、資産報告では議員本人のみが対象となっているため、読み取れない。
資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で起訴された石川知裕衆院議員は、小沢氏が多額の資金を有することを隠すためだったと供述しているが、「たんす預金」は報告義務がない。
小沢氏が土地購入原資として個人資金4億円を用立てたと説明している秘書寮は、夫人所有のため、報告書にはない。
閣僚の資産公開は配偶者らも対象としているが、閣僚から家族のプライバシーを指摘し、疑問視する声が上がる。だが、家族資産として公開の対象にしない国会議員の資産報告制度では、「抜け道」が多いのも事実だ。
「国民の不断の監視と批判の下に置く」とする立法の趣旨だが、コピーもできず、インターネットでの公開もなく、現在の法のままで果たして「監視と批判」が可能なのか疑問だ。
報告書提出後、毎回のように訂正される。このままの状況で資産公開を続けても、国民の政治への信頼は回復されない。
政治資金規正法は、問題や事件の発生を受け、少なからず改善が図られている。だが、資産報告制度は、実質的な見直しが一度も行われていない。政治への信頼回復を推し進めるため、公開法の抜本的な見直しが望まれる。
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