学校図書館は児童生徒の知育に欠かせない重要な役割を果たしている。にもかかわらず、図書購入費の予算化された額が例年、国算定額の8割程度にとどまっているのはおかしい。
図書購入は地方交付税で賄われ、使途は各自治体の判断に委ねられている。自治体の財政が悪化する中で「削りやすい」ととらえられ、約2割が“目的外”に使われているとすれば大きな問題だ。
教育の本旨に沿うならば学校図書館はもっと優遇されていい。少なくとも図書購入費は国の算定額を満たしてほしい。それをほかの事業に“流用”するのはもってのほかと言わざるを得ない。自治体の教育に対する意識が問われよう。
図書購入費が一般財源化されたのは1985年からだが、国は読書教育の充実を目標に2007年度から約130億円だった図書購入費を200億円程度に増額した。
しかし、自治体が予算化したのは07年度156億円(国算定額の78%)、08年度は157億円(同73%)、09年度も164億円(同77%)にとどまった。文部科学省が「増額効果が反映されていない」と苦言を呈しているように、読書教育の質が問われている。
09年度の予算化率で国の算定を上回っているのは東京都、山梨県、栃木県、愛媛県だけで沖縄は81・3%の全国20位。08年度比で8・8ポイント増えたが、全国平均をやや上回っているにすぎない。
学校図書館へのしわ寄せは図書購入費にとどまらない。司書の配置問題にも表れている。
県立学校司書について、県は行財政改革の一環として正職員からパートタイムへの移行を進めているほか、司書免許を持つ教諭を配置する方針を示している。司書のパート化は質の低下を招きかねない。司書の果たす役割、ひいては学校図書館の存在意義を軽んじてはいないか、と指摘したい。
鳩山政権は「無駄な公共事業の一掃」を掲げ、全事業の見直し、捻出(ねんしゅつ)した財源を優先事業に充てる方針を進めている。県や各自治体も積極的に進めてほしい。
必要な財源は全事業を洗い出す中で確保すべきだ。「狙い撃ち」の形で図書購入費が圧縮されてはならない。学校図書館は子どもたちの知性や情操をはぐくむ場である。行政は、そのことを強く念頭に置くべきだ。
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