住民の声に耳をふさいだまま、工事を強行するのか。沖縄防衛局が東村高江への米軍ヘリパッド建設に向け、工事地区進入路へのフェンス設置作業を進めている。
同局は中断している建設工事を7月以降に再開する予定だ。住民2人に妨害禁止を命じた仮処分を確定させる本裁判も提訴し、準備を着々と進めている。
しかし工事再開の住民説明会は合意に程遠く、オスプレイ配備や夜間飛行、飛行ルート、騒音対策などの説明のあいまいさに「建設中止」を訴える住民の反発はさらに強まった。
住民側は十分な説明を求めている。住民が納得しないままに妨害排除の態勢を整え、「問答無用」と工事再開に踏みきるのか。
不可解なのは新政権下で高江のヘリパッド建設問題の真剣な再検討がうかがえないことだ。民主党は沖縄の基地問題見直しを公約していた。しかし現地視察も行わず、既定方針のごとく前政権の建設計画が継承されている。
だがヘリパッド建設には疑問が多い。高江区はヘリ騒音が激化するとして、2度反対決議した。
米軍北部訓練場の北側の一部を返還し、返還地区のヘリパッド6カ所を高江区の訓練場内に移設する計画だが、一部返還の交換条件とはいえ、6カ所をも移設する必要性があるのか。
ヘリパッドは世界遺産の候補にも上がる自然生態系を損なうとして世界自然保護基金、日本生態学会、国際自然保護連合などが計画の中止や見直しを求めている。
北部訓練場は米軍統治時代からの継続使用だが、ヘリも飛び交う戦闘訓練は、そもそもヤンバルの優良な自然にはそぐわない。
県民の水がめである東村の福地、新川ダムから弾薬類が回収され、ベトナム戦時にダイオキシンを含む枯れ葉剤が同訓練場内で散布されたとの報道もあった。
旧那覇防衛施設局が自主的に行った環境影響評価(アセス)手続きに対しても専門家から「ヘリの機種、機数、飛行ルートが記されずアセスに値しない」と厳しい批判がある。
高江区民にとって機種や飛行ルートは切実な関心事だろう。それがあいまいなままでは、建設に同意できないのも当然だ。
鳩山政権は前政権の既定方針として安易に継承せず、計画の見直しと住民への丁寧な説明に意を尽くすべきだ。
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