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がけで生活分断続く 迷走の宇栄原南 区画変更2010年3月11日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

豊見城市から隔離された地形になっている豊見城市我那覇後原地区(右)と豊見城市のほかの地域を分断するがけ=2月9日、同地区
区画整理に伴う那覇市・豊見城市 市境変更案

 那覇市と豊見城市にまたがる那覇市宇栄原南地区土地区画整理事業(19・4ヘクタール、那覇市宇栄原南土地区画整理組合施行)が、1978年の事業開始から30年余、行政区の変更をめぐり迷走している。区画整理地内にある豊見城市我那覇後原地区の住民は、豊見城市とがけで分断され、生活に支障があるとして那覇市への編入を30年来要望。那覇市と豊見城村(当時)は過去に編入に合意したものの同村が99年、市昇格を前にした人口確保を背景に編入を断念し現在に至る。地方自治に詳しい専門家は「最高裁判決でも、地方公共団体というには共同体意識を持っているという社会的基盤が必要と言われている」と住民の立場に立った解決を求めた。

 組合(仲村正治理事長)は、区画整理後の地番を確定する換地処分を済ませた上で、ことし11月に事業を終了させる予定で、住民らは「編入が置き去りにされる」と危機感を募らせている。

小学校徒歩40分
 我那覇後原地区の住民は2月末現在、140世帯、395人。那覇市が区域外就学を認めていた2005年度以前に那覇市立高良小学校に在籍していた児童と、06年度以降の入学でも兄弟が同小に在籍している児童は同小へ通学。だが、それ以外の児童は約2・5キロ離れた伊良波小学校へ通っている。住民によると低学年だと徒歩で約40分かかり、保護者が送迎せざるを得ない状況だ。豊見城市とがけで分断されているため、地域活動も那覇市の宇栄原グリーン自治会第6班として行う。
 住民の要請に対し、豊見城市は現在「区画整理後の両市の割合を区画整理前と同じにする換地が基本」とし、編入は困難との姿勢だ。
 両市は昨年、換地処分に向けて区画整理地の市域境界変更案を提案。それに伴って豊見城市との市境の那覇市宇栄原に住民登録をしている5世帯14人が、豊見城市に編入されようとしている事態も生じ、住民が反対している。5世帯の土地の登記は豊見城市だが、土地の一部が那覇市宇栄原にかかったため那覇市に住民登録をしていた。

方針変更
 編入が難航した背景の一つに、那覇空港と瀬長島間に広がる両市間の公有水面問題がある。境界があいまいだったため、同村が編入の交換条件として80年、那覇市へ線引き協議を求めた。
 豊見城市(現在)は、当時の村政内に「市村域の等面積交換が編入の前提との考えがあったのではないか」と話す。しかし、那覇市が「(区画整理とは)全く別の問題だ」と拒否し収束した経緯がある。
 その後も組合や住民らの要請は続き、同村の金城利一村長(当時)は87年「がけで遮断された地形にあるため、行政遂行の上からも不都合が多々あり、住民に多大な迷惑を掛けている」と編入を認める文書を那覇市へ提出した。しかし金城豊明村長(現市長)に代わり98年、市政昇格を前に5万人確保のため「国勢調査まで待ってほしい」と方針変更。調査前に那覇市から編入問題の解決を迫られ、99年9月に編入を断念する文書を提出した。
 編入問題が起き30年余。我那覇後原地区那覇市編入促進協議会の金城栄一さん(68)は「両市が合意した過去の経緯から、那覇市になると思って転入した住民も多い。市域面積のみで境界を決める両市の姿勢に疑問を感じる」と憤る。
 沖縄大学の仲地博教授(行政法)は「地方交付税の算定基準となる人口や面積が減ることは豊見城市は避けたいはずだが、住民の希望に沿った大局的な見地からの解決がされるべきだ。地形に沿って境界の変更ができる手続きが定められている」と提言した。
 (高江洲洋子、当銘寿夫)



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