またしても米軍による非常識極まりない事件が起きた。海兵隊の大型牽引(けんいん)車とジープ型の車の合わせて2台が11日未明、県立中部病院の救急搬送路に無断で侵入したのである。通行後、敷地内のガードレールや縁石などの破損が確認された。
同時刻に救急車両が到着していたら、患者の搬送に支障を来し、人命にかかわる事態にもなりかねなかった。
日米地位協定は第5条2項で米軍車両の基地施設間の移動を認めている。許可なく病院の敷地に侵入することは「基地間の移動」には当たらず、明らかに地位協定を逸脱している。
県内では2007年7月に米軍の装甲車1台が県立沖縄高等養護学校に、同年8月に米軍トラックが県立前原高校に、08年3月に米軍車両が再び沖縄高等養護学校に侵入し問題化した。
米軍当局は、その都度、地元の強い抗議を受け「公共施設に立ち入らないよう指導を徹底する」などと再発防止を強調してきた。
にもかかわらず、公共施設への米軍車両侵入は後を絶たない。指導を徹底するというのは口先だけなのか。百歩譲って兵士への教育がなされたとしても、その場限りで済ませていたのだろう。
そもそも、民間施設への無断立ち入りが許されない行為であると認識している米軍人の方が少ないのではないか。規範意識の欠如とおごりが根底にあると断ぜざるを得ない。
米軍は、県民に対し車両が侵入した理由をきちんと説明し謝罪すべきだ。その上で、幹部から兵卒に至るまで、すべての軍人に対し決まりを守るよう教育を徹底してもらいたい。
特に見過ごせないのは、侵入した場所が24時間救急医療に対応する県立病院だった点だ。救急搬送路と知りながら立ち入ったとすれば、なおさら問題が大きい。
度重なる米軍の暴挙は絶対に看過できるものではない。知事や関係首長はこうした事態が二度と起きないよう先頭に立って抗議すべきだ。
県、国(外務省沖縄事務所、沖縄防衛局)、在沖米軍が現地レベルで基地問題を話し合う三者連絡協議会(三者協)の開催を提起し、強くくぎを刺した方がいい。
県議会も早急に米軍基地関係特別委員会を開いて抗議決議の可決に向けて取り組んでもらいたい。
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