【多良間】多良間村は環境省や県の絶滅危惧(きぐ)II類に指定されているヤシガニの乱獲を防ぐため、採取できる大きさや期間などを制限する「多良間村ヤシガニ(マクガン)保護条例」を4月1日から施行する。村議会3月定例会本会議で15日、議員提出の同条例案を可決した。同様の条例は国内でも初めて。
条例は乱獲による絶滅を防ぎ同村の豊かな自然の象徴でもあるヤシガニを有用な資源として持続的に活用することが目的。
条例によると村長はヤシガニの生態を調査・研究するための保護区を設定できる。保護区内のヤシガニ採取は年間を通して禁止し、保護区外は産卵時期の7月1日〜8月31日は禁止となる。甲の大きさが8センチ以下の個体や抱卵中の雌も採取禁止。条例違反者へ10万円以下の罰金を科す。
生物学(甲殻類)を研究する琉球大学大学教育センター非常勤講師の藤田喜久さんは「沖縄ブームなどの影響で珍味として食べられ、乱獲はこの数年で深刻化している。条例は国内初の実効性ある保護策。先行的な事例になる」と他市町村などへの広がりも期待した。
また「ヤシガニは昔から人とかかわりのある生き物。全面的に食べないのではなく、守りながら利用することが大切」と強調した。
下地昌明村長は「保護区は村民の意見を聞いた上で決めたい。自然を守る意識を促したい」と述べた。
ヤシガニは鹿児島県・小宝島が北限。県内は各地に生息し特に宮古・八重山では開発によって海岸近くの生息地が脅かされている。飲食店、インターネットなどで食用やペットとして売り出され、乱獲傾向にある。
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