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「核の傘」協議 犠牲からの脱却を基本に2010年3月19日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 日米両政府が「核の傘」の在り方の公式協議を始めた。米政府高官が米議会公聴会で証言したもので、協議の行方を注視したいが、日本にとって平和憲法の理念に沿った方向で議論が進むのかどうか、予断を許さない。
 日本国民、とりわけ沖縄県民に多大な犠牲を強いる「抑止力」のゆがんだ実態は、日米で早急に検証し、是正すべきだ。公式協議も核の傘ありきではなく「武力神話」との決別や犠牲の連鎖からの脱却を基本に据えてもらいたい。
 核の傘の概念は東西の冷戦期に形づくられた。核を持たない日本の安全を、米国が自国の核で保障するという考え方だ。
 しかし、冷戦終結から20年を経て、この考えも変質している。米海兵隊の主たる任務が日本防衛よりも、有事の際の米国人救出にあることは明らかだが、事ほどさように巨額の駐留経費負担という「日本製の傘」を、米側が差しているというのが実態ではないか。
 にもかかわらず、日本はいまだ核の傘という冷戦期の産物に縛られ、身動きが取れないでいる。首をかしげざるを得ない。
 核なき世界の実現に動く中で、唯一の被爆国である日本が、唯一の原爆投下国である米国の核兵器を頼りにするという構図は、国際社会に異様に映るだろう。
 普天間飛行場問題は迷走の背景に、鳩山政権が核の傘を是としていることがある。政府は米軍に撤退されたら大変だとばかりに、米側の顔色を執拗(しつよう)に気にする。その結果、解決策が限定され、国外・県外移設を主張できないでいる。情けない限りだ。
 確かに、東アジアには不安定要素があり、継続的に平和と安定の構築に努める必要はある。だが、過度に不安をあおり、軍備の拡大をもくろむ勢力に加担することになってもいけない。
 米側はしたたかだ。核の傘の協議を始めたことで、日本へのプレッシャーを強めてくるだろう。既に岡田克也外相は、有事の核持ち込みを容認する姿勢を示している。
 政府は核の傘の検証を好機だととらえ、沖縄の目線に立って抜本策を提起すればいい。傘の幻想に惑わされないことだ。鳩山由紀夫首相には被爆国のトップとして「核の傘に頼らない日本」「核の傘の要らない世界」を目指すと宣言してほしい。


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