本紙文化面に連載の堺屋太一氏作「三人の二代目」が佳境に入っている。動乱の戦国時代が舞台だが、今に相通ずるものがある
▼上杉謙信の跡目を影虎と争った景勝が「戦の勝利は統治のはじまりでしかない。『戦は苦しいが、治めるのも難しい』(略)つくづくとそう思った」(2月17日付)と述懐。同様な心境にあるのが、鳩山由紀夫さんだろう
▼戦国の世の武将と異なるのは、冷徹さと決断力のなさだ。政権発足早々に政治資金問題が露見したが十分な説明をし得ず国民の不信を招いた。それが今も尾を引く。普天間飛行場移設問題でも閣内は揺らぎぱなしだ
▼自らの指導力のなさを棚に「民主主義の本質は“揺らぎ”だ」とのたまう。昨夏の総選挙で民主の勝利を無血革命とたたえた識者もいた。そうだろうか。小泉郵政改革選挙と同じで、幻想を抱かせたにすぎない
▼明治維新と似て武士階級の権力争いで徳川幕府同様、自民が自滅しただけだ。むのたけじさんは「権力の大きい者の言い分が通る。少数の立場が重んじられていないでしょ」(「週刊朝日」1月15日)と指摘
▼「主権在民」。日本人は戦後この4文字を与えられたが、使いこなしきれていない。政権が代わるたびに嘆くのはもうやめよう。私たちが主人公との自覚を持ち、行動しないと真の変革はない。心して政治を監視する時が来ている。
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