事情聴取後に顔を隠して名護署を出る3等兵曹の女(右から2人目)=19日午後7時49分ごろ、名護市
名護市辺野古で発生した米軍車両ひき逃げ事件で、車両放置現場に現れた米海軍3等兵曹の女(25)について、名護署が現場で憲兵隊から「ひき逃げ事件に関係しているはずだ」と説明され、女の事情聴取を求めたが憲兵隊側が応じず、結果的に県警のひき逃げ容疑での容疑者逮捕を阻む形となっていたことが、19日分かった。県警交通指導課が事情聴取を要請したことなどを公表した。女の身柄を確保して「こちらで調べている」とする憲兵隊に対し、名護署も積極的に身柄の引き渡しを求めず、憲兵隊がそのまま米軍施設内に女を連行したが、県警は「憲兵隊の捜査は適切だった」としている。
日米地位協定に詳しい法政大学名誉教授の本間浩氏は、米軍施設以外の民間地では、日本側の主権が当然優先されるとしながらも「日米地位協定では、現場で事情聴取や身柄の引き渡しを求めたとしても、米側が応じるべき原則がない」と指摘し、同協定の不備を指摘した。
県警は車両放置現場での捜査状況について、18日の説明では「女が私服姿だったので、容疑者と特定できなかった」と説明していたが、19日になって「憲兵隊から現場で説明を受け、ひき逃げに関係がある可能性が高いことを認識していたことが判明した」と改めた。
さらに米軍が女を拘束した根拠について、県警は「ひき逃げではなく、米軍財産(車両)の窃盗容疑だった」と公表した。県警が重大事件として捜査協力を求めていたひき逃げではなく、米軍側は車両の窃盗容疑を優先させたことで、結果的に県警はひき逃げ容疑で女を緊急逮捕する機会を失った。
本間氏は「どの犯罪を優先するかの原則がなく、米側の都合で解釈されている。犯罪の重要性を基準にして、どちらを優先するのか原則を定めるべきだ」と問題視した。
県警は19日も容疑者と特定した米海軍3等兵曹の女(25)を任意で呼び出し、2回目の事情聴取を実施した。県警は女が「基地の中で飲酒して運転した」と供述したことを明かしたが、公務であるか否かについては「まだ捜査中」と言及を避けた。
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