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興南8強進出 選抜高校野球大会第7日2010年3月29日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

5回裏、無死一塁で鮮やかにバスターエンドランを決める興南の我如古盛次主将=兵庫県の阪神甲子園球場
智弁和歌山相手に気迫のピッチングを見せた興南の主戦・島袋洋奨

 第82回選抜高校野球大会第7日は29日、甲子園球場で2回戦3試合を行い、興南、中京大中京(愛知)広陵(広島)が準々決勝に進んだ。興南は智弁和歌山(和歌山)を7―2で下し、初めてベスト8に進出。興南の我如古は5安打を放ち、個人最多連続安打8の大会タイ記録をマーク。エース島袋は11三振を奪って完投した。広陵は初出場の宮崎工(宮崎)に1―0のサヨナラ勝ちで、3年ぶりに8強に進んだ。九回無死満塁から三田の中前打で試合を決めた。有原は2安打完封。夏春連覇を狙う中京大中京は神港学園(兵庫)に2―1で競り勝った。2年連続の8強入りで春夏通算130勝を達成した。

▽2回戦
 智弁和歌山―興南(13時54分、24000人)
智弁和歌山(和歌山)
010100000|2
01003003×|7
興南
(智)吉元、藤井、宮川、上野山―道端、久保
(興)島袋―山川
▽本塁打 眞榮平1号(2)(宮川)
▽二塁打 宮川、岩佐戸
▽盗塁 我如古
▽失策 小笠原、我如古
▽捕逸 道端、山川
▽試合時間 2時間8分
 【評】興南は主戦の島袋洋奨が立ち上がりに精彩を欠き、拙攻もあって智弁和歌山に先行を許した。1―2と興南が1点を追う五回裏、先頭から連打でチャンスをつくると守備の乱れを誘い無死満塁の好機を得る。その後、押し出し四球に犠牲フライ、スクイズと派手さはないものの、確実に1点を積み重ねて逆転した。
 試合後半も興南が主導権を握ってそのまま快勝。悪いなかでもクリーンアップを無安打に抑えた興南・島袋。3、4、5番に7安打された智弁和歌山投手陣との差が結果に表れた。
(普久原裕南)

◆我如古 8連続安打 大会タイ/返上「打てない興南」
 安打を放ち走者を得点圏に置くものの、好機で一本が出ず得点につなげられない。智弁和歌山に先制を許し、直後に追いついたがチャンスを逸して1―2と勝ち越される嫌な展開に、不安がよぎったがそれも杞憂(きゆう)に終わった。
 1点を追う五回裏。先頭の慶田城開がセンター前ヒットを放ち出塁すると、続く打者は1回戦から5連続安打中の主将・我如古盛次。
 我喜屋優監督は「我如古を信頼しているから3番に置いている。あの場面は走らせないことも考えたが、足を使った方がチームの士気が上がるから」と、慶田城を走らせて、我如古にはバスターエンドランを指示。厳しい球だったが、我如古は期待に応えてセンター前へ打ち返した。無死で好機を広げた興南は、銘苅圭介の押し出し四球に山川大輔の犠飛、伊禮伸也のスクイズと1点ずつを確実に取りにいき逆転した。
 我如古はこの試合5打数5安打。1回戦を含めると、8打数連続安打の大会タイ記録となる大当たりで、制球に苦しんだエース島袋洋奨を救う大活躍となった。
 我如古は「打てない興南と言われ、冬は打撃に意識的に取り組んだ」と打撃力の向上に力を入れたことを振り返った。「上にいくことで周囲が打線を認めてくれると思う」。“魂知和”打線の中軸を担う主将は準々決勝に照準を移した。
(普久原裕南)

◆耐えて11K 島袋「打線に応える」
 「反省も多々あるけど、勝てたことが大きいです」
 勝っても自分の投球内容に対し、辛口のコメントが目立つ興南のエース島袋洋奨だが、この日はほっとした表情を見せてチームの勝利を第一に喜んだ。
 試合序盤は高めに球が浮き、珍しく制球も悪かった。「前半は慎重にいきすぎた。力んで球数が増えてしまった」と、省エネピッチングを心掛ける島袋にとって、五回を投げ終えての91球は不本意な投球だった。
 「智弁和歌山が相手だということを意識しすぎた。異様な緊張感があった」と普通ではなかったエースを助けたのは野手陣。ピンチでの併殺処理などの守備と、破壊力のある打撃で島袋を救った。
 我喜屋優監督も「島袋も一人の人間。良いときもあれば悪いときもある。今日は悪いなりにその気持ちで切り抜け、それを全員で支えた」と全員野球に目を細めた。2回戦は被安打10、四死球4だったが11奪三振の2失点とうまくまとめることができた。智弁和歌山・高嶋仁監督も「調子はそんなに良くなさそうだった。それでも連打を許さなかった島袋君の勝ちですわ」と要所を締める投球に白旗を上げた。
 島袋は「打線が冬場鍛えた打撃を甲子園で出してくれている。自分もピッチングで応えたい」と、準々決勝に向けて力を込めた。(普久原裕南)

◆4番自信と風格/眞榮平ダメ押しの一発
 ひときわ乾いた打球音の後、白球は甲子園球場のバックスクリーン右へ吸い込まれていく。興南の準々決勝進出を確信させるには十分な、興南の主砲・眞榮平大輝の一発だった。
 昨年の夏、明豊(大分)戦でもライトスタンドへ豪快な一発を放っていた眞榮平だが、チームはサヨナラ負けで喜ぶに喜べなかった。
 「(島袋)洋奨に頼りすぎた。バットでなんとか助けられるように、選抜には絶対に戻って来てこの借りを返したい」と目を赤く腫らして誓い冬を越えた。そして迎えた春。八回裏、ダメ押しとなる豪快な2点本塁打で見事にその約束を果たした。
 眞榮平は「来た真っすぐを、思いきりフルスイングしたらしんに当たって入ってくれた」と会心の当たりを興奮気味に振り返った。エース島袋にとっても「相手の勢いを抑えて、味方を乗せてくれる一発だった」と大きな手助けとなった。
 次戦は帝京(東京)と三重の勝者と4強進出を争う。「この大会で一番対戦したいと思っていたのが、帝京の148キロの直球をもつ伊藤(拓郎)投手。あんないい投手を打ってみたい」と自信をのぞかせる。強打の智弁和歌山に打ち勝ち、興南の主砲には4番の風格が漂っていた。
(普久原裕南)


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