障害児就学相談事業の相談件数推移
特別支援学校の教諭15人が県の委嘱を受けて行う「障害児就学相談事業」の相談件数が2009年度は過去最多の3671件に上り、5年前の04年度933件に比べ3・9倍強と増加傾向が続いている。10年前の1999年度66件と比べると55倍強の増加。所管する県立総合教育センターでは、発達障害が認知されるようになったことや2007年度に特別支援教育が始まったことで保護者の関心が高まっていることや、他機関との連携体制が機能し始めたことで事業が周知されたことなどが増加の背景にあるとみている。
09年度の相談件数は重複を含めると5446回だった。主な相談内容は、聴覚・視覚障害児等への「早期教育」に関するものが772件と最も多く、次いで子どもの発達状況や対応に関する「障害・発達の状態」の相談が646件、「就園・就学・転校」583件、「学校見学」521件と続いた。
同センターで27日、10年度の相談員の委嘱状交付式が行われ、新規7人、更新8人の計15人が委嘱を受けた。同センター特別支援教育班の町田裕班長は「07年に特別支援教育が整備され皆さんの役割がますます大きくなっている。発達障害などでは各市町村とも連携する必要がある。地域に密着してセンター的機能を果たしてほしい」と強調した。
「障害児就学相談事業」は、委嘱を受けた特別支援学校の教諭らが電話や勤務する学校内、相談者宅への訪問などで相談を受けている。2000年度の相談件数は160件、01年度228件、02年度372件、03年度414件、04年度933件、05年度1457件、06年度1668件、07年度2444件、08年度3565件と急増した。
同相談事業は、同センターが実施する障害児教育相談事業の一環。ほかにも同センター所員や嘱託医らが来所や電話等で相談を受ける「来所教育相談事業」と、県内各地を巡回して相談を受ける「障害児巡回就学相談活動事業」がある。
◆体制づくりへ具体策 特別支援教諭に研修会
特別な支援が必要な生徒に対し、学校内外の関係者間や社会的資源を結び付ける特別支援教育コーディネーターに指名された県立高校教諭を対象とした研修会が26日、沖縄市の県立総合教育センターで開かれた。本島内と久米島地区の教諭ら約60人が参加し、発達障害などへの理解を深めた。
同センターの城間園子指導主事が、生徒の障害に対する情報収集の方法や校内の支援体制づくりについて具体的な方法を提示した。
それぞれのケースに応じた特徴として、学習障害(LD)は「読む、書くなど特定のものの習得に困難がある」、注意欠陥多動性障害(ADHD)の「考えるより先に行動する」、高機能自閉症の「社会的関係形成が困難」などを紹介した。
その上で「得意なことの活用」(LD)、「セルフコントロール力の向上と環境整備」(ADHD)、「社会的スキルの習得」(高機能自閉症)など特性に合った指導が必要と話した。
那覇少年鑑別所の松田盛雄主席専門官は、「問題行動をすべて心の問題として扱うとややこしくなる」と指摘。「同じ『物をとる』行為でも、『盗んだ』子どもと、『(無断で)借りた』つもりの子どもとでは、支援の方法も変わってくる」とし、問題行動の原因を分析することの重要性を話した。
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