普天間飛行場移設問題 RSSicon

辺野古埋め立てだとジュゴン餌場壊滅 桟橋方式、光遮断し影響大2010年5月21日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

辺野古海域における飛行場計画案と海草分布

 名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖を移設先とした米軍普天間飛行場代替施設について、政府が検討している現行計画に近い埋め立て案は、ジュゴンが食べる海草を消滅させる可能性が大きく、餌場に壊滅的影響を与えることが20日、日本自然保護協会の調べで分かった。埋め立てに比べて自然破壊は少ないとされるくい打ち桟橋(QIP)方式でも藻場が消失すると分析している。
 この海域は海草が占める面積(被度)が大きく、ジュゴンの食跡と糞(ふん)の跡が計9カ所見つかっている。日本自然保護協会は埋め立てれば「藻場の創造に取り組んでも現在の代わりにはならない」と指摘。QIP方式も「光の遮断や減少によって光合成が阻害され、海草藻場が消失する。波浪や海流の変化で、リーフ内の海草藻場の分布面積が減少する」と分析している。
 同協会保護プロジェクト部の大野正人部長は「埋め立てれば、海流が変わるので周辺の海草もなくなる」と指摘している。
 同協会が2005年に実施した海草分布状況調査などを基に、これまで政府が検討してきた案の海域や、QIP方式による代替施設建設地として想定している海域について分析。ボウバアマモなど、ジュゴンが好んで食べる7種類の海草を確認した。
 沖合の辺野古沖縮小案の辺りに建設した場合でも、リーフから海草藻場への進入口となるリーフの切れ目4カ所を覆うことにもなり、藻場への影響は避けられないという。
 同協会保護プロジェクト部の安部真理子さん(理学博士・海洋環境学)は「辺野古沖は豊かな海草が確認されている県内2カ所のうちの一つ。ジュゴンの重要な餌場だ。埋め立てれば、海草だけでなくサンゴにも影響を与え、自然に大きな負荷がかかる」と話している。(新垣毅)

<用語>ジュゴン
 海棲哺(せいほ)乳類で、人魚のモデルとも言われている。国内では、奄美群島から琉球諸島にかけて生息。浅い海に広がる藻場で餌を食べ、生態系の基盤である藻場がなくなれば、その地域では絶滅する。日本哺乳類学会、環境省のレッドリスト、水産庁のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。


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