三線とともに味わい深い歌声を響かせる大島保克=1日、那覇市の桜坂劇場
八重山の白保出身で、沖縄各地の古くからの歌やオリジナル曲を歌う、大島保克が沖縄本島で開催するライブ「唄会2010」が1日、那覇市の桜坂劇場で開かれた。静かに響く三線の音色と歌声。大島独自の解説で八重山地域の島々や宮古、沖縄本島などをめぐる、歌の旅に観客を連れ出した。
1部は八重山地域を回った。白保の曲から始まり、祭りの歌や「村の国歌」(大島)とも言える「白保節」。始めは淡々と、乾いたように聞こえた三線の音色が大島の声と重なるうちに心地よく響く。観客からの拍手に「うん」とうなずき少しだけ口元を緩める大島。観客をどんどん引き込んでいった。村で大ヒットしたと紹介し「夏花(なつぃぱな)」を楽しそうに歌った。「八重山は島が多くてどこに行こうか迷う」と大島。テンポも早くなり、リズミカルな「サコダアッパ」は客が拍手で乗り、掛け声を合わせた。
続いて小浜島に行き、八重山の雄大な風景を思い浮かべるような旋律の「小浜節」を披露。ハミングする観客もあった。西表島では古い八重山の方言が残っていると「高那節」を渋く聞かせた。
地元の白保など八重山、宮古地域が壊滅的な被害を受けたという、1771年の津波と波照間島からの移民を受け入れて復興した歴史を説明。西表島の崎山に移り住んだ人々の、地元の波照間島が見えるのに行きたくても遠くて行けないという望郷の歌「崎山節」を披露した。
与那国島からは喜納昌吉の「東崎(あがりざち)」を歌い、大島が中学のころ聞いて感動し、毎日練習したというエピソードを笑顔で話した。オリジナル曲「赤ゆら」、故嘉手苅林昌を思って作曲した「流星」では大島独特のかすみがかったような歌声もますます味わい深く響いた。
「イラヨイ月夜浜」をしっとりと聞かせ、アンコールの、会いたい気持ちを月や星に願うラブソング「月ぬ真昼間(つくぃぬまぴろーま)」ではゆったりとした旋律に最も伸びやかな歌声で観客を癒やした。
(中地由希香)
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