
沖縄の平均寿命の順位はご存じですか? 1995年の統計では、女性は1位、男性は4位と好位置でしたが、2005年では女性は1位ですが、男性は25位に低下しています。全国に比して、沖縄の寿命が伸び悩んでいるのが要因です。また、沖縄の若年者の生活習慣病は増加しています。それによる動脈硬化の悪化が心筋梗塞(こうそく)の増加につながる恐れがあるので、将来的には、ますますこの差が顕著になってくるかもしれません。
狭心症、心筋梗塞の治療の中でも、私の専門のカテーテル治療は、心臓の血管(冠動脈)に挿入した細い管を介して、狭くなった病変内にワイヤを通過させた後、風船や金属の筒を運んで、病変を広げる治療です。カテーテル治療は年々、器具の性能や手技が向上しており、血管が狭くなった病変(狭窄(きょうさく)病変)では、一般的に98%以上の治療成功率があるとされています。
しかしながら、慢性的に完全に詰まった病変(閉塞(へいそく)病変)の成功率は70〜90%と施設によりばらつきがあります。狭窄病変は、あくまでも狭くなった先が見えているため、ワイヤを通過させることが比較的容易なのですが、先が見えない閉塞病変内は長年かけて病変が進行し詰まっていくので、石のように硬くなっていることが多く、その中を手探りで血管壁を傷つけないようにワイヤを進めていくのが至難の業なのです。
そういった閉塞病変を手前からではなく、ほかの冠動脈を介して反対方向から逆行性にワイヤを進めていく新しい治療法が日本の医師を中心に行われつつあり、その成功率は90%前後にまで向上しています。しかし、同治療法は手技的に煩雑ということもあって当院を含め一部の施設でしか行われておらず、まだ普及していないのが現状です。
このように、血管が詰まる前と後で治療を行うのは、治療成績が雲泥の差となるので、生活習慣病がある方は重症化する前に一度自分の心臓をチェックすることをお勧めいたします。最近では、入院せずに最小限の負担で検査が可能な冠動脈CT(コンピューター断層撮影)も普及しているので、一度受けられてみてはいかがでしょうか。
(上原裕規、浦添総合病院)
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