はじめまして。ハタナカと申します。日ごろはやんばるの大自然の懐に抱かれて、その喜びを享受しております。向こう半年間、その感謝の思いを込めてつづってゆければと念じております。
振り返れば、やんばる暮らしもはや四半世紀。当初予定の半年が、かくも長きにわたるとは夢想だにせず、あらためて邂逅(かいこう)、縁(えにし)ということの不思議さを感懐する今日このごろ。エコツーリズムという時代を反映した潮流が県内各地に流入し始めて既に十有余年。エコや環境といった言葉を冠したフレーズが今や其処(そこ)かし処で飛び交うようになった。豊かな自然に恵まれた地域では自然体験やエコツアーが百花繚乱(りょうらん)。爆発的なブームに乗って過疎地は一躍観光地に。雇用が創出され、若者が戻り、そして人が集まる。実に慶賀すべきことではある。
翻って、巷間(こうかん)では世界を相手に大活躍するサッカー日本代表チームの話題でもち切りだった。テレビは終日これを追い掛け、日本中が興奮のルツボの直中(ただなか)にあるやに見えた。こんなにも愛国心のある国民性だったのか、と些(いささ)か驚かされてしまった。このお祭り騒ぎの中で、参院選も普天間も五里霧中。切迫した国内外の懸案事項も雲散霧消したかのようだ。本旨を忘れたマスコミ関係者たち…。
一方で、この10年の間、すっかり森は疲弊してしまった。海も同様である。森が泣けば海も泣く。まさに「森は海の恋人」。システムとしての自然の循環を考えれば自明の理だ。ブームに乗った人波の洗礼を受け続けた森。軍靴の如(ごと)き隊列が腐葉土を蹴(け)散らし、苔(こけ)むした表土を削り取る。草木はなぎ倒され、その住人たちは棲(す)み処(か)を追われてしまった。自然は一体、誰のもの? この古くて新しき命題を皆が真剣に玩味すべき瀬戸際に、今という時期は立たされているのかもしれない。
(畠中克士(はたなかかつし)、案内人・ヤンバル大自然体験AsoBo)
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