文部科学省は30日、小学6年生と中学3年生を対象に4月に実施した2010年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。4回目で初の抽出方式による実施。抽出校による都道府県別の平均正答率の沖縄の順位は、小学校の国語Bと算数Aが46位(09年度国語B46位、算数A41位)、小学校2科目と中学校4科目はいずれも最下位で、前年度とほぼ同傾向となった。小学校は4科目総合で46位になった。正答率は全国平均に比べ全科目で3・5ポイント〜13・6ポイント下回った。
平均正答率の全国と県内の差は、小学校3科目(国語A・B、算数B)、中学校1科目(国語A)で縮まったが、小学校1科目(算数A)、中学校3科目(国語B、算数A・B)では逆に差が開いた。
結果について金武正八郎教育長は「小学校は『正答率』『無解答率』ともに全国平均との差が縮まっており、取り組みが功を奏している」と評価。中学校については「特に数学に関しては、今後とも取り組みの強化を図る必要がある」とのコメントを出した。
同調査は過去3回は全員を対象としていたが、今回初めて抽出方式に転換した。県内からは抽出校189校(112小学校、77中学校)、自主参加校207校(140小学校、67中学校)計396校が参加した。名護市と豊見城市以外の市町村では、抽出校以外の全公立小中学校が自主参加し、私立小中4校も参加した。抽出校、自主参加校を合わせた県内の参加率は約94%だった。
◆授業改善「成果出ず」 「中学の落ち込み深刻」
前年同様、小学校4科目中2科目、中学校4科目で最下位となった第4回全国学力・学習状況調査の結果に、県教育庁義務教育課の上原敏彦課長は今回の結果について「これまで取り組んできた授業改善の成果がまだ出てきていない部分がある」と率直に語る。
4科目中3科目で全国平均正答率との差が昨年より広がるなど、中学校の学力低迷が改善されていないことについて、沖教組の山本隆司委員長は「中学校の落ち込みを重く受け止めている。幼いころからの競争の中で劣等感を持ち、勉強をあきらめてしまう子が増えているという実態は深刻だ」と指摘する。
一方、教育現場では結果そのものよりも「テストのためのテストになっている」と調査そのものを疑問視する声も。本島南部の30代の中学校教員は「平和教育など沖縄らしさを生かす教育も必要」と語り、学力偏重の教育行政を批判する。
夜型社会など沖縄の社会風潮や家庭の教育力の弱さが学力問題に深くかかわっているとの指摘は根強い。県PTA連合会の宮城辰三会長は「大人が夜型社会から脱皮し、子どもに学ぶ姿勢を見せることが大事」と家庭の役割を強調する。
琉球大学教育学部の中村透学部長は、今後の教育施策について「秋田県など学力が高い地域だけでなく、低い順位ながらも学力が向上している地域を参考にしてもいいのではないか」と指摘した。
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