「Cocco沖縄ゴミゼロ大作戦ワンマンライブスペシャル2006」。初めての沖縄ワンマンライブで歌うCocco=15日、宜野湾海浜公園屋外劇場
その人は裸足(はだし)で現れた。「Cocco沖縄ゴミゼロ大作戦ワンマンライブスペシャル2006」が15日夜、宜野湾海浜公園屋外劇場で開かれた。1997年にメジャーデビュー、音楽シーンを鮮やかに駆け上がり、一度は活動を中止したCocco。東京・武道館をはじめとする大ホールコンサートを重ねながらも、大好きだからこそずっとできなかった故郷沖縄での、10年目にして初の単独ライブ。その歌は、荒野をゆく魂の咆哮(ほうこう)。愛することは、歌うこと。61年前に戦争が終わったこの日、涙声で伝えられたのは「ラブ・アンド・ピース」、そして「オキナワ、アイシテル」という、愛の言葉だ。
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97年3月、シングル「カウントダウン」でメジャーデビュー。ほとんどの作詞作曲を手がける。唯一無二の世界観を持つ歌と、圧倒的な存在感で人気に。2001年4月、活動中止。03年夏に「沖縄ゴミゼロ大作戦」で活動再開。絵本の出版や、別ユニット・SINGER SONGERでの活動などを経て、06年6月にはアルバム「ザンサイアン」発表。全国8都市でツアーを開いた。
「歌が心に届いたら、ごみをひとつでも拾ってほしい」と始めた「ゴミゼロ―」。「ヘブンズ・ヘル」という歌を作り、200人の子供たちと歌った。しかし、キャンペーンとして広がるほど、思い描いていなかった像がひとり歩きする。「気づいたら、エコ問題の広告塔になっているCoccoに疑問を持った」
手紙がたくさん来た。「辺野古の海を助けて」「カンボジアの子どもたちを救って」。「あっちゃん(Coccoの愛称)は、物事があったら理解してからのみ込みたいです」。振り絞るように、申し訳なさそうに、続けた。「ごみを拾えって言った覚えはないです。自分の大事な所で(愛する人を)愛してるって言うために歌う、そしてもしそれが届いたら、海に行った時、ごみを一個でも拾ってほしいだけ」
今、ゴミゼロに参加したすべての人に歌でお礼をしたい。「あっちゃんのゴミゼロは愛してるって言うこと、愛してるって言うことは歌うこと。ずっと歌っていくことで、恩返ししたい。自分のやり方で自分の立っている場所を愛したい。わがままを許してください。そして、みんなにとってのゴミゼロを探してほしい」。泣きながら、笑顔。「ごみとつけたから悪かったかも。地元大好き大作戦とかだったら、よかったのかな」
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久しぶりにひめゆりの塔を訪れた。そこは、「悲しいだけでなく、祈りのあふれる場所になっていた」。祖母から戦争の話を聞いたのは、一度きり。「ばあちゃんはひどいことは知らなくていい、幸せになりなさいって言った。あっちゃんも聞かなかった」。しかし、生き残りの証言者たちの話を聞き、「忘れたいことを忘れない勇気に感謝したい。あっちゃんは100分の1も実感してないかもしれないけど、あの人たちが生きている間に、何かを成し遂げないといけないんじゃないか。自分がやるべきことを全うして、生きていくことを誓います」。強くて優しい、言葉だった。
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21曲目、最後の歌が終わり、明るくなった客席に場内アナウンスが流れても、拍手は止(や)まなかった。儀礼的なアンコールなどしないだろうと感じながらも、席を離れなかった大多数の観客の前に、もう一度現れた。「Cocco史上初のアンコールをやります」。歌ったのは「強く儚(はかな)い者たち」。最後は子供みたいにジャンプしながら、両腕を思い切り振って、グッドバイ。さようなら、ありがとう。また会う日まで。
(文化部・石井恭子)
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