防衛省・沖縄防衛局は28日、米軍普天間飛行場の移設を前提に名護市辺野古沿岸部で行う動植物の生息状況などの「現況調査」を名護市が拒否していることについて、同市長らに対して行政不服審査法などに基づく異議申し立てをした。移設を拒む同市に対し、日米合意の辺野古移設推進に強い姿勢で臨む政府の姿勢を示した形だが、同市の稲嶺進市長は同日、判断の正当性を強調。防衛省が市長などを相手に行政訴訟を提起する可能性が出てきた。
申し立てについて枝野幸男官房長官は「(移設計画の)準備段階での法的対応にとどまるものだ。辺野古移設を、地元の意思を完全に無視した形で強引に進めようというものではない」と説明。その上で「法令に基づき粛々と対応すべきと判断した」とした。
沖縄防衛局によると、同不服審査法に基づく申し立てを名護市長と市教育長に、漁港漁場整備法に基づく審査請求を農林水産相に行った。同局が自治体に不服を申し立てるのは初めて。
記者会見した防衛局の吉田広太郎調達部次長は市が申請を却下した場合、市を提訴する可能性について「市が適切に審査、裁定を下すものと思っており現状では考えていない」と述べた。
市の判断期限は定まっていないという。農水相への審査請求は水産政策審議会の審議後、農水相が最終的に裁定するが、市が従わなくても罰則などはない。
不服申し立ては河川立ち入り申請、天然記念物現状変更許可申請、漁港区域内行為の協議に係る3件。申請理由を「(調査拒否は)市長の政治姿勢によるもので市長の裁量権の範囲を逸脱している」とした。
調査に関して同局が申請し、市が不同意とした公共用財産使用協議については、「市の行政権限に当たるか判断しかねる」として申し立てを見送った。
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