米上院のカール・レビン軍事委員会委員長(民主)とジム・ウェッブ外交委員会東アジア・太平洋小委員会委員長(同)が今月下旬、沖縄を訪問する。
普天間飛行場の返還問題は暗礁に乗り上げ、危険な状態にある。両氏には状況を変えるため、柔軟な発想と政治力を示してほしい。
レビン氏は3月の軍事委公聴会で普天間飛行場の移設問題と在沖海兵隊のグアム移転について、現実的な計画なくして国防総省の関連予算を容認できないとした。
もう一歩踏み込みたい。普天間の県内移設は現実的ではない、と。有権者の大半が拒絶する政策を米国が抱えたなら、その民意を政治家として無視できないはずだ。
多くの県民は普天間返還合意から15年間も県内移設を拒否。仲井真弘多知事は会談が実現すれば「県内反対」の県方針、民意を伝える意向だ。
オバマ米大統領が12年後の2023年までに米国の財政赤字を4兆ドル減らす方針を表明した。国防費4千億ドル(約33兆5千億円)の削減も含まれる。
オバマ氏は今後「米軍の任務や能力、役割の根本的見直し」に着手するとした。在沖米軍を含め海外基地のリストラは避けられまい。
米議会でも日本駐留を含む米軍の前方展開戦略が「財政上の問題になっている」(ローン・ポール米下院議員=共和党)として、米財政赤字が膨らむ中、在日米軍は撤収すべきだとの考えが強まっている。民主党のデニス・クシニッチ下院議員も在日米軍を「過去の遺物」と呼び「移転して軍事優先政策から脱却すべきだ」とする。
ただ、こうした主張は、米側の在日米軍駐留経費(思いやり予算)の負担増など対日要求強化の布石とも取れ、警戒が必要だ。
国内に目を転じると、東日本大震災の復興財源をめぐって、社民、共産両党が思いやり予算の活用を求めたのに対し、政府は「日米同盟は国の根幹で、予算を削減すれば防衛政策に食い違いが生じる」(北沢俊美防衛相)と取り合わなかった。被災者の命、暮らしを優先するなら「思いやり予算」も聖域視せず、復興財源に充てることを検討すべきだ。
レビン、ウェッブ両氏には、普天間県内移設や駐留経費増額の旗振りではなく、日米関係への両国国民の信頼性向上で建設的な役割を期待したい。
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