共同通信の世論調査によると、菅直人首相が中部電力に浜岡原発の全面停止を要請したことを66・2%が評価し、「評価していない」の29・7%の倍以上に上った。
東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発の停止要請が、一定程度世論に評価されていると見ていいだろう。
一方、政府の東日本大震災被災救援や復旧対策への評価はほぼ二分している。菅内閣自体の支持率は28・1%で微増にとどまり、30%を割り込む政権維持の危険水域にあることに変わりない。
菅首相は、浜岡原発停止要請を自らの指導力とPRし、政権浮揚を狙っているはずだが、思惑通りに事は運んでいない。国民はなお、政権の危機管理に厳しい目を注いでいることを忘れてはならない。
注目されるのは、今後の原発の在り方に関する回答である。
原発を「減らすべきだ」が47・0%、「直ちに廃止」が6・0%だった。計53・0%が削減や廃止を求め、3月の前回(計46・7%)から6・3ポイント伸ばし、過半数を超えた。
深刻な事態が続く福島第1原発事故に向き合い、主権者として原発に依存するエネルギー政策からの脱却を求める世論が着実に広がっていることを裏付けるものだ。
それは、浜岡原発停止要請を支持する世論とも符号する。
原発を抱えず、「原子力村」の利権構造との接点が薄い沖縄からは、逆に原発に依存しすぎたこの国のエネルギー政策のゆがみが透けて見える面がある。
私たちは東日本大震災、福島第1原発の危機が到来する前から、一貫して原子力発電の危険性を指摘し、「日本の原発は安全」と言い張る政府に疑念を呈してきた。
原発の安全神話が崩れた今、電力不足の不安を抱えつつも、国民は着実に脱原発に歩み始めている。
菅首相は、2030年までに原発を14基以上増やすエネルギー基本計画を見直す方針だが、さらに踏み込んで、太陽光、風力など代替エネルギーを拡充する政策転換を急ぐべきだ。
今回の調査の菅首相の交代時期を問う設問で、「直ちに退陣」は前回3月より6・1ポイント減の17・5%に後退している。
復興への足並みがそろわないまま、倒閣、政局絡みの動きが前面に出る与野党双方にうんざりする国民の姿も浮かび上がる。これも目を背けてはならない民意である。
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