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南シナ海行動規範 法的拘束力が不可欠だ2011年7月22日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 南シナ海の領有権問題の平和的解決をうたった宣言の具体化へ向け、摩擦の絶えない関係国が歩み寄ったことを評価したい。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が次官級高級事務レベル協議で、2002年に合意した「南シナ海行動宣言」の履行へ向け協力の在り方を定めるガイドライン(指針)で合意した。
 行動宣言では航行や上空通過の自由の尊重、領土問題の平和的解決、緊張を高める行動の自制などに合意。紛争防止で法的拘束力のある行動規範の採択が地域の平和と安定を促進すると再確認、策定作業を進めることで同意していた。
 今回の合意をてこにASEAN側は法的拘束力があり多国間交渉を可能にする行動規範の策定を目指す。しかし、中国は消極的だ。二国間交渉の方が自らの主張を押し通しやすいということか。それでは02年宣言が有名無実化する。これを避けるため、行動規範の法的拘束力を確実に担保すべきだ。
 中国や台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどに囲まれた南シナ海は世界有数の海上交通路で、中東の石油を日本へ運ぶタンカーの大半が行き来する。各国の大陸棚は石油や天然ガスの埋蔵量が豊富とされる。
 今年に入り中国による資源探査妨害などで同国とベトナム、フィリピンとの対立が激化。このため、ASEANは懸案の指針策定や行動規範づくりが急務と判断した。
 軍事力で永続的な平和は維持できない。軍事力に勝る中国には領有権問題で節度ある振る舞いを求めたい。双方が軍事的挑発や実力行使を厳に慎み、実効性ある行動規範の策定に全力を尽くすべきだ。
 法的拘束力のある行動規範は南シナ海だけでなく、尖閣諸島や竹島の問題でも平和的解決のモデル規範として応用が可能だろう。
 尖閣と竹島がわが国固有の領土であることは国際法上も歴史的事実に照らしても自明だ。ただ尖閣では中国と台湾も、竹島では韓国も領有権を主張し日本と外交上の“火種”となっている。将来、国際法にのっとった平和的解決策を想定しておく必要があるかもしれない。
 鳩山由紀夫前首相が「東アジア共同体」構想を提唱して以降、日本のアジア外交は影が薄い。日本はアジアの一員として、領有権問題を含む外交・安保問題の平和的解決に建設的に関与すべきだろう。


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