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基地リンク論・「脅し」では問題解決せず2006年10月23日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 安倍政権の閣僚は「沖縄の負担軽減」など本気で考えていないのではないかと疑ってしまう。
 久間章生防衛庁長官が先に、米軍普天間飛行場の代替施設について県民に「(日米のV字形滑走路案を)前進だと認めるか、日米安保条約をやめて不安増大を取るか選択の問題だ」と二者択一を迫り波紋を広げたが、今度は高市早苗沖縄担当相が普天間移設と北部振興策のリンク(連動)を明言した。
 両閣僚の発言に共通しているのは、県民に対する「脅し」とも取れる高圧的な姿勢である。巨大な軍事基地で生命と財産を脅かされているのは県民の方だ。その県民に対し、政府が圧力を強めていく手法を考えているとしたら、それこそ筋違いであり、認識を改めてもらいたい。
 就任後初めて来県した高市沖縄相は、名護市への普天間移設と北部振興策への対応について「全くリンクしないという表現は当てはまらない」「全く移設問題は進まないのに、北部振興は国で受けるという形にはならない」などと述べ、両者は一体であるとの考えを明確にした。
 普天間移設計画の進み具合に応じて、北部振興策を講じる“出来高システム”は小泉前政権時代に表面化した。地元の反対などで遅々として進まない移設計画に、政府がいら立ちを隠せなかったことが背景にある。
 政府は、在日米軍再編協議で普天間以外の沖縄基地の整理縮小を普天間移設とパッケージにするなど沖縄への対応を軌道修正してきたが、その流れは安倍政権になって鮮明になった。
 内閣府沖縄担当部局は旧沖縄開発庁時代に「基地問題は所管外」として長年、振興開発計画を中心に担ってきた経緯がある。1990年代後半の橋本政権や小渕政権時代に沖縄問題が政府の最重要課題に位置付けられると、返還後の跡利用対策に力を入れたが、いわゆるプラス・アルファの経済振興策は官邸主導で進められた。
 プラス・アルファが必要だったのは、開発庁の振興計画が不十分だったからにほかならない。その経緯を知らされていないのか、高市沖縄相は基地と振興策のリンク論を堂々と展開する。所管外どころか、基地担当を自任するような発言である。
 基地と振興策のリンクがあるとすれば、基地の整理縮小につながるという意味での振興策だろう。沖縄相の言うリンク論だと、振興策は負担増との引き換えということになる。これはおかしい。
 外交努力を怠り、半世紀余も県民に基地の重圧を強いる姿勢を政府は改めてほしい。県民への「脅し」では問題が解決しないことを知るべきだ。


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