現在の火葬場(左端)を建て替える「南斎場」の建設予定地と漫湖に近接する「仮称・火葬場前面道路」の建設予定地(右手前)=17日、豊見城字豊見城
【豊見城】南部広域市町村圏事務組合による豊見城市豊見城の火葬場建て替えに伴い、豊見城市が建設を計画している「火葬場前面道路(仮称)」がラムサール条約に登録されている漫湖に近接するため、環境保護団体や一部住民は「生態系への影響が懸念される」として建設断念を求めている。市は過去2年間、計画について環境省那覇自然環境事務所に説明していない。同事務所は「今後、那覇市と豊見城市の担当と話をして、対応を考えたい」としている。
事務組合が建設する火葬場「南斎場」は南部6市町の火葬需要に対応するため焼却炉6基、告別室2室などを整備する。前面道路は南斎場入り口を起点に漫湖岸辺沿いを通り、漫湖水鳥湿地センター付近に抜ける。全長961メートル、幅9・5メートル。道路と湿地間の最短距離は約3・2メートル。市は南斎場から同市豊見城の集落を結ぶ市道2号のルート変更や拡幅も進めている。
道路建設計画に対し、自然保護団体や一部住民は生態系への影響を懸念し、反対している。自然保護団体や個人で構成する漫湖自然環境保全連絡協議会の藤井晴彦副会長は「環境省が水鳥を戻す事業に取り組んでいる中、工事が始まると水鳥がいなくなる。陸と干潟の間に道路が通ると生物が寸断される」と話す。同市豊見城の住民で沖縄・生物多様性市民ネットワーク豊見城支部の瀬長修代表は「漫湖の自然が唯一残っている場所に手を付けるのはもったいない」と疑問を投げ掛けた。
豊見城市は火葬場の規模拡大に伴う交通渋滞が予想されるため道路整備に対する地域の要望が強いと説明。環境省への説明をしていないことについては、「予算が付かず事業化できるか分からない段階で、話は持っていけない」としている。
(高江洲洋子)
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