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TPP参加問題 政治主導をはき違えるな2011年11月8日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 環太平洋連携協定(TPP)参加問題は、国民の賛否が二分されている状況が鮮明になった。それでも、野田佳彦首相は12日にハワイで始まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での参加表明に傾き、民主党は反対論が強まる党内を強引に参加へ集約しようとしている。
 踏みとどまり、広範な国民の声を吸い上げ、時間をかけ議論を尽くしてこそ、民主主義国家だ。
 日本世論調査会の全国電話世論調査は、「参加した方がよい」(38・7%)と「参加しない方がよい」(36・1%)が拮抗(きっこう)した。
 参加の影響について「政府が説明していない」とする回答は78%に上った。国民は政府の不誠実な態度を冷静に見詰めている。結論を出す最低限の前提となる情報開示が決定的に不足している。国民に背を向け、米国の顔色をうかがい、将来に禍根を残す形で参加を決めてはならない。それは政治主導のはき違えにほかならない。
 一方で、TPP問題では参加を促す論調が強い在京大手メディアと反対・慎重論が強い地方紙の主張の違いが際立つ。報道が世論にどう影響を及ぼしているのか、気になるところだ。賛成した国民が十分な判断材料を持ち合わせているのか、疑問も残る。
 米国など9カ国がAPECでの大枠合意を視野に交渉を進めるTPPは、10年以内の関税撤廃を原則に、投資の規制などを緩めてビジネスの国際障壁をなくすことを狙う。総じて急進的である。
 国際競争力強化の観点から賛成する経済界と、輸入農産物の拡大に危機感を深める農業界の対立が鋭さを増している。
 県内では、基幹作物のサトウキビなどの第1次産業が壊滅的打撃を受けるなどとして、9割に当たる37市町村長が反対し、仲井真弘多知事も反対姿勢を鮮明にした。
 知事を含めたほぼ全首長が政府による影響の検証、国民的議論が不足していると指摘している。
 TPPを「平成の開国」と称するほど、日本は閉鎖的なのか。世界貿易機関に加わり、12カ国以上の国・地域と自由貿易協定を交わす日本は閉鎖的ではあるまい。極端に低い穀物自給率は、農業分野でも一定程度市場が開かれている証左ではないか。
 政府が提示する数値や定義を検証し、過度な自由貿易による国民生活全般への影響を見極めたい。


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