
在日米軍再編のいわゆる「中間報告」の日米合意から、29日で1年が経過した。米軍普天間飛行場の移設ではあらためて県内移設が示されたが、いまだ県内では反対の声は根強い。一方、沖縄の負担軽減として明記した在沖米海兵隊のグアム移転や中南部の相当規模の基地返還の中身は、現在も詳細が見えず、地元には焦燥感も募る。中間報告の発表後、北原巌男防衛施設庁長官は地元への理解に努力を継続していくと決意を述べたが、この1年間、政府側が十分な説明をしてきたかは疑問視する声が多い。地元理解を求めるとする言葉とは裏腹に、抑止力の向上を進める日米両政府の姿勢が顕著になってきている。地元の反対にもかかわらず米軍パトリオット・ミサイル(PAC3)の配備も進んでいる。
昨年10月の米軍再編報告では、日米特別行動委員会(SACO)で合意した普天間飛行場移設の従来案を白紙にし、新たな県内移設案で日米合意した。今年5月には2本のV字形滑走路を有する案に修正したが、その合意の後になって、当初の政府説明になかった機能の付加が次々と明らかになってきている。
当初政府は有事での使用は計画にないと説明していた。だがメディーナ在沖米海兵隊基地司令官(当時)が今年8月、衆院沖縄北方特別委員会に、有事使用の想定を明らかにした。代替施設の滑走路は、海兵隊の次期主力機MV22オスプレイが有事に必要な長さとして要求したものだと述べた。
建設計画策定の大詰め段階にきて、米側要求による複数の技術的な課題が上がっている。その一つが航空機の強制着陸用装置(フック)の検討だ。航空機の安全航行に米側が求めている。日本政府は戦闘機使用は想定していないというが、米側の真意は不透明なまま。
代替施設の懸念は住民生活への影響だった。ヘリの飛行について政府は住民への影響回避から陸上飛行を避けると説明してきたが、陸側の兵舎や地形で米側の設置基準に合致しない部分がある。当初の政府説明では、ヘリの場周経路が海側に展開すると強調。日米協議中のためとして詳しい説明はまだない。
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