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不適切発言から1週間 前局長処分決まらず2011年12月7日 
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 前沖縄防衛局長の不適切発言が報じられてから6日で1週間がたったが、前局長の処分はいまだに決まっていない。一川保夫防衛相は6日の記者会見で「厳しく対応したい」と処分する考えを示した。防衛省政務三役は異例の「停職」も含めた厳しい処分で幕引きを図る方向で調整している。だが、オフレコ発言で懲戒処分された官僚が過去にいないことなどから事務方に抵抗感が広がりつつあり、文民統制が最も求められる組織で一川防衛相の指導力が試されている。

 「弁解の余地はない」。11月29日の記者会見で自身の事情聴取に対して「犯す」という不適切発言を否定した田中聡前局長の言い分について「そういう風に解されてもやむを得ないと本人は述べている」と明らかにし、処分する考えを示した。

■官邸の意向
 一川氏が早々と処分の考えを示したのは、官邸の強い意向があったからだ。藤村修官房長官は6日の参院外交防衛委員会で山内徳信氏(社民)の質疑に対し、「単なる局長だけでなく、それに連なる管理責任等は順に上がるので最終的に防衛大臣まで処分が行われるだろう。急いでやってほしい」と述べ、一川防衛相にも同様の指示をしたことを明らかにした。
 防衛省幹部などによると、政府が処分の根拠にしようとしているのは国家公務員法99条の「信用失墜行為の禁止」。前局長の発言が国家公務員の信用を傷つけ、不名誉な行為に当たるとして処分を急ぎ、年内の環境影響評価書提出に向け「みそぎ」を済ませたい考えだ。
 だが、防衛省内には前局長本人が「犯す」という文言を否定していることに加え、オフレコ発言で官僚が処分された前例はないことから、田中前局長の処分に懐疑的な見方もある。
 幹部の一人は「法律を破ったわけでもない」と述べ、本人が否定するオフレコ発言に基づいて懲戒処分が実施されることを疑問視。一川氏に対する問責決議案が9日にも出されることから、処分も様子見の状態だ。

■調査進まず
 不適切発言をめぐる調査自体も問題になっている。佐藤正久氏(自民)は、田中前局長が「審議官級の間では来年夏まで普天間問題で具体的な進展がなければ、辺野古移設はやめる話になっている。普天間はそのまま残る」とした発言が一部で報道されたことを挙げ、「文民統制が全くできておらず、政治家をばかにしている。同席した職員や報道関係者からも聞き取り調査すべきだ」と指摘。渡辺周防衛副大臣は「50分ほど本人に報道された発言について一つ一つただしたが『記憶にない』の一点張りだ」と答弁し、調査も進んでいないことが露呈した。
 政府が前例踏襲を重視する官僚の論理に負け、処分があいまいのまま今回の不適切発言の幕引きを図れば、沖縄側の反発はさらに強まる可能性が高い。
 一方で、仮に前局長の処分だけでなく、政府が野党の攻撃をかわすために一川防衛相を更迭したとしても、普天間の県外移設を求める沖縄の民意が評価書提出に「理解」を示す可能性は低く、政府は年内の評価書提出を撤回するか、強行するかの選択を迫られることになりそうだ。
(松堂秀樹)


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