那覇空港の軍民共用の危険性がまたしても浮き彫りにされた。中国機の領空侵犯事案に対応するため緊急発進しようとした航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機1機が滑走路を逸脱して停止したのである。
そのせいで那覇空港は約1時間半にわたって発着ができなくなり、国内外6航空会社の少なくとも62便5903人以上が影響を受けた。一部の民間機は米軍嘉手納飛行場や鹿児島空港、宮崎空港、宮古空港などに一時的に着陸している。乗客を缶詰めにしたまま到着が8時間近く遅れた便もあった。
不可解なのは、離陸寸前だった空自機と着陸しようとした民間機の衝突を回避するため、管制官が両機に離着陸中止を指示したことが発端になっている点だ。着陸する民間機がいるのに、なぜ空自機が滑走路に入ったのか。
合点がいかないが、那覇空港では同様の離着陸中止指示は珍しくないという。那覇空港で綱渡り的な運用が続いているのは異常事態であり、抜本的な改善策を講じるべきだ。
何らかのミスが重なって、2機が同時に離陸と着陸を試みる事態にでもなれば、大惨事に直結しかねない。
空自機が滑走路を離脱した原因としては、操縦士がブレーキをかけずエンジン自体を停止させたため機体がコントロールできなくなった可能性が指摘されている。
防衛省、国土交通省は、管制業務の在り方を含め原因を徹底的に調査し、再発防止策を公表してもらいたい。
沖縄の玄関口である那覇空港は年間1420万人余(2010年度)の乗降客を擁する国内屈指の過密空港だ。複数の滑走路がある大阪国際空港(伊丹)、関西国際空港よりも乗降客が多い。年間着陸回数は6万5千回で自衛隊機の1万回が加わる。その混雑ぶりは群を抜いている。
離島県の沖縄では、県外や先島などとの移動を航空交通に頼るしかない。安全運航の確保は沖縄県民にとって死活問題だ。
那覇空港の軍民共用は、沖縄を行き来する全ての人に脅威を与えている。もはや自衛隊と民間機の共用は限界点に達している。
政府は那覇空港の滑走路増設と並行し、民間専用化の道筋を真剣に模索すべきだ。
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