十大ニュース(2011年−1970年) RSSicon

2011年(平成23年)沖縄県内十大ニュース2011年12月25日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

【1】2011年の在沖米軍基地問題をめぐるコラージュ
【2】八重山教科書問題で大城浩県教育長(左)と面談し意見交換する八重山地区の3教育長=11月28日
【3】第5回世界のウチナーンチュ大会の閉会式・グランドフィナーレ。大会には県外から過去最多となる7363人が参加、全日程の参加・入場者は延べ約41万人となった=10月16日夜、沖縄セルラースタジアム那覇
【4】琉球新報などの合同インタビューに答える鳩山由紀夫元首相=2011年1月31日、衆院議員会館
【5】「お帰りなさい」の横断幕を掲げるクラスメートの出迎えを受ける要美優さん(右)=11月15日、那覇空港
【6】一括交付金創設など政府の沖縄振興の基本方針を発表した沖縄政策協議会第4回振興部会=9月26日、首相官邸
【7】東日本大震災直後に行われた第23回なんぶトリムマラソンの会場内に設けられた募金箱に多くの善意が寄せられた=3月20日、糸満市西崎総合運動公園
【8】数次ビザを活用して、来県した第1陣の中国人観光客ら=7月7日、那覇空港国際線ターミナルビル
【9】米軍属の不起訴処分を受け、日米地位協定の改定を求める抗議集会でこぶしを上げる参加者=6月25日、北中城村中央公民館
【10】人間国宝認定を記念した公演で独唱を披露する西江喜春氏=11月19日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター
【次点】ゴルフの日本女子アマチュア選手権を制すなど大きく飛躍した比嘉真美子(本部高3年)=10月、山口国体

 米軍普天間飛行場の県内移設を拒む怒りを帯びた民意が高止まりし、沖縄社会の絆の深さと支え合う力を感じ合った2011年。琉球新報社は県内十大ニュースを選定した。普天間問題は日米両政府が基地押し付けの姿勢を崩さず、日米の官僚による沖縄蔑視発言が県民感情を逆なでし、鳩山由紀夫元首相の「抑止力は方便」の告白は安保政策の官僚支配の病弊を照らした。八重山地区の教科書採択協議会は「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書選定をめぐる対立が解けず、越年が確実だ。5回目を迎えた世界のウチナーンチュ大会は、過去最多の県系人が参加し県民とのつながりを深めた。重い心臓の病を患った要美優さんを支える運動は瞬く間に全県に広がり、東日本大震災後に県内に避難した被災者への支援の輪も広がった。沖縄振興一括交付金が創設されて沖縄振興の姿が様変わりする節目を刻み、中国人観光客を対象に数次査証(ビザ)が導入され、交流の活発化が期待される。県民世論の高まりを受け、公務中の米軍属が一転して起訴されるニュースもあった。「組踊音楽歌三線」の名手・西江喜春さんが人間国宝に認定される朗報も届いた。

【1】混迷増す普天間移設問題
 米軍普天間飛行場の移設問題は混迷に拍車が掛かった。昨年11月の再選を経て県外移設にかじを切った仲井真弘多知事は9月の訪米でも県外要求を鮮明にしたが、民主党政権は名護市辺野古への移設方針を崩さず、膠着(こうちゃく)状態が続く。日米の官僚から沖縄に対する暴言も明るみとなり、あくまで沖縄に基地を押し付けることを当然視する差別的思考が鮮明に浮かび上がった。
 民主党政権は6月に辺野古を移設先とする日米合意を交わした。県内移設に反対する強い県民世論にもかかわらず、辺野古移設の環境影響評価書を近く提出する。
 基地問題をめぐり、3月にはケビン・メア米国務省日本部長(当時)が沖縄の人を「ごまかしとゆすりの名人」と中傷した発言、11月には田中聡沖縄防衛局長(当時)が環境影響評価書提出に絡み「犯す前に犯しますよと言いますか」と性的暴行にたとえた著しく人権感覚を欠く発言が明るみに出て、県民の激しい反発を呼び起こし、2氏は更迭された。
[特集]普天間飛行場移設問題
 ―【号外】辺野古アセス評価書、未明に搬入
[特集]メア氏差別発言問題
 ―【速報】メア氏更迭、沖縄差別発言で処分
[特集]沖縄防衛局長不適切発言
 ―【号外】防衛局長を更迭 不適切発言で処分

【2】八重山教科書採択大揺れ
 2012年度から八重山地区で使用する中学校公民教科書の採択をめぐり、採択地区協議会内で意見が対立。石垣市、与那国町の両教育委員会は協議会が選定した「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版を、竹富町教委は東京書籍版をそれぞれ採択した。
 9月8日に同地区の全教育委員で協議し東京書籍版を選定したが、石垣市、与那国町の両教育長が文科省に協議の無効を訴える文書を送付。県教委、文科省が指導助言を重ねているが、いまだ一本化のめどは立たない。
 問題の背景には、地区ごとに同一教科書採択を義務付ける教科書無償措置法と、各市町村教委が教科書を採択することを定める地方教育行政法の矛盾がある。中川正春文科相は「竹富町は無償給付の対象外」と発言したが、その法的根拠も不明確だ。地域住民らは育鵬社版の不採択を求め運動を展開。11月23日に嘉手納町で開催した県民集会には約千人(主催者発表)が参加した。
[特集]八重山教科書採択問題

【3】第5回世界のウチナーンチュ大会盛り上がる
 10月12日の前夜祭パレードを皮切りに、13日から4日間繰り広げられた第5回世界のウチナーンチュ大会(同実行委員会主催)には、県外から7363人、うち海外から5317人の、いずれも過去最多となる県系人が参加し、県民と絆を深め、感動に包まれた。
 5年に1度の交流の祭典。東日本大震災や原発事故で一時、参加辞退者が出るなど不安が広がったが、被災地支援も兼ねることを打ち出し海外県系人らが賛同。県外参加者は前回の約1.5倍に上り、ウチナーンチュのチムグクルを発揮した。
 沖縄セルラースタジアム那覇を主会場に多彩なイベントを繰り広げ、若い県人・県系人がウチナーアイデンティティーや県系人ネットワークの継承・発展を宣言。県は年間千人規模の交換留学制度に向けた基金創設に「先頭に立つ」と表明した。全日程の参加・入場者数は延べ41万8030人で前回より約10万人多かった。
[特集]世界のウチナーンチュ大会

【4】鳩山元首相「抑止力は方便」
 鳩山由紀夫元首相が1月と2月、琉球新報などのインタビューに答えて、米軍普天間飛行場の県外移設を断念した際に使った在沖米海兵隊の「抑止力」という言葉は「辺野古しか残らなくなったときに理屈付けしなければならず『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」と述べ、県内回帰ありきの後付けの理由だったと明らかにした。首相辞任から8カ月後に県内移設の根拠の薄弱さを照らし出した告白に、大きな波紋が広がった。
 一方、公約の県外移設を目指したものの、鳩山氏は官僚の包囲網の軍門に下ったことも明らかにし、安全保障政策の官僚支配の病弊も浮かび上がった。県が政府に対し、米海兵隊の抑止力の根拠をただす質問書を出すなど、抑止力に対する疑念が広がった。
[特集]鳩山氏“方便”発言問題

【5】要美優さん、移植手術成功
 心臓移植でしか完治できない拘束型心筋症を患う要美優(かなめみゆ)さん=浦添市立神森中1年(当時)=の両親が2010年末、米国での移植手術などに必要な費用1億5200万円の寄付を県民に呼び掛けて以降、11年にかけて支援の輪が広がった。
 3カ月間での目標金額達成を目指したが、今年2月には達成。美優さんは4月5日に渡米し、ニューヨークのコロンビア大学病院で同25日、心臓移植の手術を受けた。
 手術は成功し、術後も順調に回復。11月8日に帰国し、大阪大学病院で検査を受けた後、15日に帰沖した。美優さんは那覇空港で「早く学校で友達と勉強したい」と笑顔で会見。24日、神森中に帰国後初めて登校し、元気な姿を見せた。
お帰り 美優さん 8ヵ月ぶり帰郷 ドナー、県民に感謝

【6】新振計基本計画案決まる
 県は2011年度末に切れる沖縄振興計画に代わる新たな計画の基となる「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)」案を決定。使途の自由度の高い総額3千億円の沖縄振興一括交付金(仮称)や米軍用地の跡利用のための跡地利用推進法などを国に要求し、1575億円の一括交付金が認められた。基本計画案には、「沖縄振興一括交付金」による財政支援が計画実現に必要不可欠と明記。鉄軌道導入や国際化に向けた那覇空港・港湾整備など自立的発展を目指す施策を盛り込んだ。一括交付金をめぐる政府と県との折衝は年末まで続き、予算総額は県の求める3千億円に近い額で決着が図られたが、全額が県の求める一括交付金とはならなかった。
県推進委、新振興計画案を決定 自立発展策盛り込む
沖縄予算2937億円 12年度内閣府

【7】震災 県内でも支援の輪
 3月11日に東日本大震災が発生し宮城、岩手、福島の3県を中心に多くの被災者が沖縄県に避難した。福島第1原発事故による放射能汚染の広がりを懸念し、直接被災はしていないものの沖縄に避難する人も多かった。12月時点で800人以上が滞在しているとみられる。
 被災地や避難者に対しては県内でも義援金や支援金、物資、居住先の提供など支援の輪が広がった。大震災で津波の被害が甚大だったことを受けて、県内自治体で防災計画の改定に向けた動きや津波を想定した避難訓練実施など、防災意識が高まりを見せた。
[特集]東日本大震災
[まとめ]東日本大震災 被災地支援情報

【8】中国人観光客に数次ビザ
 巨大な中国市場を取り込むための追い風が吹いている。沖縄に1泊が条件の中国人個人観光客向けの数次査証(ビザ)の発給が7月から始まった。同ビザを取得すると日本への旅行が3年間自由になる。7〜11月までの発給件数は、従来の個人観光ビザと比較して、前年同期比約32・9倍の7203件と大幅に増加した。
 加えて7月28日には、沖縄−中国・北京間で初の定期直行便となる中国・海南航空の那覇−北京線が開通。さらに、2012年1月11日には、中国国際航空も北京線を就航するなど、中国との交流が着実に活発化してきている。
中国人観光客に数次ビザ 沖縄訪問が条件
数次ビザ、効果大 発給1000件突破

【9】死亡事故 米軍属起訴に
 1月に沖縄市で起きた交通死亡事故で、米軍の公務認定により米軍属男性を不起訴にした那覇地検の処分に対し、那覇検察審査会が起訴相当を議決。地位協定改定を訴える県民世論が盛り上がり、11月に日米が地位協定の運用改善で合意した。軍属による公務中の事件事故は米国側が刑事訴追せず、日本側の裁判権行使に「好意的考慮」で応じれば、日本で刑事裁判が開けるようになった。
 この合意を受け、米軍属男性は自動車運転過失致死罪で起訴され、来年1月23日に初公判が開かれる。日米は、米軍人・軍属による公的行事後の飲酒運転も日本側が起訴できることで合意した。
軍属男性を不起訴 沖縄市の死亡事故 那覇地検「公務中で」
軍属不起訴に抗議 沖縄市の交通事故
[特集]米軍の犯罪・事件・事故
[特集]日米地位協定

【10】西江さんが人間国宝
 国の文化審議会(西原鈴子会長)は7月15日、国指定重要無形文化財「組踊音楽歌三線」(各個認定)保持者=人間国宝=に西江喜春氏=を認定するよう高木義明文科相に答申した。認定書が9月5日に交付された。人間国宝は県内11人目、伝統芸能では6人目。組踊音楽で登場人物の心情や各場面の背景などを情感豊かに歌う表現力や後継者育成への貢献などが評価された。祝賀会や認定記念公演も相次いだ。組踊が2010年11月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されたことに続く朗報となった。
西江喜春さん人間国宝 県内11人目「組踊音楽歌三線」
「至芸」観客を魅了 西江喜春氏人間国宝認定公演

【次点】比嘉、日本女子アマ制覇
 6月25日、ゴルフの比嘉真美子(本部高3年)が日本女子アマチュア選手権マッチプレー決勝でチヒロ・イケダ(フィリピン)に快勝し、念願の初優勝を飾った。
 県勢の優勝は6年ぶり5人目。沖縄ゴルフのレベルの高さをあらためて示した。
 マッチプレーが始まった大会3日目から大差で勝ち上がってきた比嘉。決勝もショット、パットともに好調で前半からイケダを圧倒、6アンド5の大差で下し、女王の座をつかんだ。
 比嘉は10月2日の日本女子オープン選手権でもベストアマを獲得、大きく飛躍した1年となった。
女子ゴルフ、比嘉(本部)アマ日本一 県勢、6年ぶり5人目


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