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2012年1月16日

 香りのある木に出合うと立ち止まり、深呼吸したくなる。サンニンの香りには「ムーチーだ」と心が弾む。植物が放つ香りは五感を豊かにしてくれる
▼二十数年前。沖縄盲学校での取材を思い出す。校庭に香りがある花、実のなる木を植える構想。専門家に助言を求め植えたのは、クチナシ、プルメリア、キンカン、アセロラなど。香りや果実をついばむ小鳥のさえずりが、視覚にハンディがある生徒の想像力をかき立てる
▼先日、沖縄県視覚障害者福祉協会の山田親幸会長から「石川県の盲老人ホームも香りのする植物を植えている」と聞いた。山田さんは県外の盲老人ホームを視察し、利用者に寄り添う細やかな設備、配慮に感心した
▼通路には物を置かない。入所者同士の取り決めで右側を歩く。週1回近所のスーパーが出張販売に訪れる。入所者も学校の総合学習の授業に講師として呼ばれるなど地域との関わりも多い
▼「普通の老人のためにも参考になることが多かった」と山田さん。盲老人ホームは全国に48施設ある。未設置の県は5カ所。残念ながら沖縄も含まれる。全国に比べ学童保育の公設率も低い
▼「本土並み」を目指し4次にわたった沖縄振興計画。弱者にどれだけ目配りをしてきたか。新たな振計が動きだす。声なき声、見過ごされた課題を敏感に嗅ぎ取る血の通った施策であってほしい。


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