地域に悪疫が入るのを防ぐ厄払い「シマカンカー」。左よりで編んだ縄の間に豚の頭部チラガーの肉片を挟んでしめ縄として集落入り口に渡す
▼縄は魔物の侵入を阻むよう、有刺線のように芒(のぎ)のとげが長い沖縄在来米の稲を使い、豚肉は黒い皮膚をした沖縄アグーを使うのが本来の姿だ
▼4年前、沖縄こどもの国の高田勝施設長は沖縄市与儀で執り行われた儀式を見た際、在来の豚と稲を調達できないことを知った。今帰仁アグーの農業生産法人にも関わる高田さんは、知人から譲り受けた稲わらとアグー肉の提供をすることにした
▼昨年11月の行事では市内の小学生が縄を提供した。こどもの国で活動するキッズボランティア。園内に植えて収穫した在来品種「羽地黒穂」の稲わらを使い、地元のお年寄りから習って編んだものだ
▼「生まれた場所に愛着を持ち、誇りを持つための学習拠点にしたい」。高田さんは園内で琉球弧の在来動植物の展示普及を進める。アグーのほか与那国馬、歌う鶏チャーン、琉球犬、黒白斑紋のシマヒージャーなどが飼育され、ツバキの越来白球は冬に白い花を咲かせる
▼沖縄の伝統祭祀(さいし)に欠かせない在来動植物。種の保存だけでなく、文化を守る上でも大切だと気付かされた。収穫したコメは今月14日、子どもたちが炊き、おにぎりにした。味わい深い在来種をかみしめ、健やかな成長を―と願った。
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