沖縄に最も近い外国である台湾との航空路線が大幅に拡充される見通しとなった。歴史的にも関わりの深い台湾との相互交流を活発化する好機として歓迎したい。
昨年11月に締結された日本と台湾の航空自由化(オープンスカイ)協定を受け、トップセールスで台湾を訪れた仲井真弘多知事に対し、航空各社から路線拡充方針が伝達された。観光と物産を軸とした事業交流はもとより、中国大陸市場を視野に入れた沖縄と台湾企業の新たなビジネス連携など着実に実績を積み上げ、具体的な成果につなげたい。
台北に本拠を置く遠東航空は3月にも、那覇―高雄便を定期チャーター便として週1〜2便就航させる。南部にある高雄市は台湾第2の都市で沖縄との定期便就航は初めて。同社としても日本への定期便就航は沖縄が最初となる。
中華航空の子会社の華信航空は、台湾中部の台中と那覇を結ぶ便を4月から週2便、石垣―台北便の定期チャーター便を5月から週2便それぞれ就航する。独立系の復興航空は那覇―台北便を週7便、6月から新規就航させるほか、石垣―花蓮―台北で随時運航しているチャーター便を継続する方針だ。
現在、沖縄―台湾間の定期便は中華航空の那覇―台北便の週11便だが、就航会社は計4社となり、新たに中南部の主要都市を網羅して20便以上に拡充される。オープンスカイで航空会社は、路線や便数を自由に設定できるようになったが、台湾の航空各社が目を向けたのが沖縄と言える。
ただ、手放しで喜んでばかりもいられない。参入と同様に撤退も自由だからだ。期待された成果が得られないと判断された場合、引き足も早いと覚悟すべきだ。
2011年に沖縄を訪れた外国人観光客は28万人だが、台湾が11万3千人で約4割を占める。それでも15万8千人が訪れた1999年のピーク時の約7割の水準にとどまる。この間、県などの台湾人誘客の取り組みがおろそかになっていた面は否めない。
今後は官民が一体となって、活発な誘客戦略と併せ、通訳や案内表記などの中国語対応といった受け入れ態勢の整備を車の両輪として強力に推進したい。中華圏で早い段階で国際化を遂げた台湾を攻略してこそ、巨大な中国の観光市場を開拓する道も開ける。航空路線拡充の好機を逃さぬよう、あらためて台湾に目を向けたい。
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