日米両政府は在沖米海兵隊のグアム移転の先行実施など米軍再編計画見直しに関する共同文書を発表、普天間飛行場の名護市辺野古移設を「唯一有効な進め方」とする現行案堅持の方針を確認した。
大多数の民意に反し、米側に追従する方針で断じて容認できない。
共同文書は米軍再編のロードマップ(行程表)の見直しについて、在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納基地より南の5施設・区域の返還を普天間問題と切り離して先行させる方針を示した。5施設・区域の返還には柔軟姿勢の日米両政府が、辺野古移設見直しで思考停止を決め込むのは理不尽だ。
県民は知事選、国政選挙、県議選、名護市長選などで熟慮に熟慮を重ね「辺野古ノー」の審判を下した。日米が一連の民主的手続きを無視することは、「民主国家」の威信を自ら傷つけるに等しい。
県民は普天間飛行場の県外・国外移設もしくは無条件返還を求めている。今回の再編見直しにより、施設・区域の返還の加速が期待される自治体の首長や住民が「進展」を歓迎する半面、「世界一危険」な普天間の固定化を懸念している。これが人の痛みを自らの痛みと受け止める沖縄の心だ。
沖縄は、何でも許される日米の植民地ではない。欠陥機の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが配備されれば、普天間飛行場は人命・人権の脅威となる。これを甘受するほど、県民はお人よしではない。
「我々は日本に我々が望むだけの軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を獲得できるか」
60年以上前、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の締結に向け対日交渉を担ったダレス米大統領特使(当時)はこう述べた。
以来、対米追従外交が連綿と続いている。米軍の基地自由使用を優先し、国民の生命や人権を二の次とするゆがんだ安保政策をこの国はいつまで続けるつもりか。
野田佳彦首相は国会で「名護市辺野古への移設方針は変わらない」と答弁したが、米要人も政治的・軍事的合理性に疑義をはさむ辺野古移設にこだわる理屈が理解できない。
首相の歴史的使命の一つは、県民の人命・人権を本土住民と同様に尊重することだ。持続可能な日米関係を本気で望むなら、民意をしっかり受け止めて辺野古移設の断念と普天間撤去をオバマ米大統領に進言すべきだ。
英文へ→Japan-U.S. governments stick with the Henoko relocation – human rights of secondary importance?
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