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野田首相に望む 「普天間」は県外に/民意踏まえて政策変更を2012年2月26日 
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 野田佳彦首相が就任後初めて26〜27日に来県する。この際、首相に求めたいのは、米軍普天間飛行場の県外・国外移設や無条件返還を望む大多数の県民の意向を受け止め、在日米軍再編合意を抜本的に見直すことだ。
 沖縄には在日米軍専用施設面積の74%が集中している。県民は日常的に軍用機の騒音にさらされ、軍人・軍属による事件・事故に脅かされている。日米安全保障条約に基づく基地負担の大部分を、いや応なしに担わされているのが国土の0・6%にすぎない沖縄だ。そのような「差別構造」を放置するのは許されない。

「地理的特性」は詭弁

 県は20日、辺野古移設に向けた防衛省の環境影響評価書に対し「(新基地建設計画は)環境の保全上、重大な問題がある」と指摘し「(防衛省の保全措置では)事業実施区域周辺域の生活環境および自然環境の保全を図ることは不可能」と結論付ける知事意見を沖縄防衛局に提出した。科学的知見に裏付けられた意見に首相はどう向き合い、対処するのか。
 仲井真弘多知事は再三再四、県内移設が事実上不可能であると指摘し、県外に移すよう政府に要求してきた。27日に予定される会談で首相に直接説明する方針だ。
 今やボールは沖縄ではなく政府の側にある。地元の意向を尊重するのか、それとも踏みにじるのか、二者択一を迫られた格好だ。後者の道を進みつつある政府の姿勢は理不尽としか言いようがない。
 野田首相は24日の報道各社の共同インタビューで、普天間飛行場の移設先が辺野古でなければならない理由を問われ「わが国周辺の安全保障環境は厳しさを増しており、これは沖縄の皆さまにも理解していただけると思う。沖縄の地理的特性を考えると、そこに存在する海兵隊の抑止力維持はとても大事だ」と述べた。官僚の見解をそのまま話したのだろうが、全く説得力はない。仲井真知事も24日の2月定例県議会で、政府が言う「地政学的な優位性」について「全くナンセンス。俗論以外の何物でもない」と断じている。
 そもそも、太平洋戦争で本土防衛の捨て石とされ、米軍に占領されていなければ、広大な基地が建設されることはなかった。基地集中の大きな理由の一つは、もともと本土にいた部隊が沖縄に移駐してきたことにある。海兵隊・第3海兵師団は岐阜、山梨に駐留していたが、基地反対運動の激化によって1950年代に沖縄に移った。米軍が支配する島だったからだ。駐留の意義など後から取って付けた詭弁(きべん)にすぎない。

過ちを改めよ

 政府が何よりも急がなければならないのは普天間飛行場の危険性除去だ。県内移設にこだわって時間を空費しているうちに再びヘリが墜落すれば取り返しがつかない。
 首相は辺野古移設に県民の理解を得たいと表明しているが、どのような目算があるのか。振興策などのアメをちらつかせれば解決すると考えているなら大間違いだ。
 せっかく沖縄まで足を延ばしながら、移設先とされる名護市の稲嶺進市長との会談を設定していないのは解せない。移設に反対する地元首長の意見など聞く耳持たないということか。
 野田首相は、鳩山由紀夫氏(元首相)が「最低でも県外移設」と約束しながら県内移設へ回帰したことを知事にわびるつもりだという。「申し訳ない」と言われたところで何の意味もない。
 残念なのは普天間移設問題が政争の具として矮小(わいしょう)化されている点だ。自民党も、鳩山氏の発言がなければ普天間は前進していた−などと的外れな論法を振りかざすばかりで、民主党と大差ない。
 事の本質は、戦後67年たってなお広大な米軍基地が存在する地域差別をいかに解消するかにある。「県内移設」の誤りは明らかだ。首相は「過ちては改むるにはばかることなかれ」という箴言(しんげん)を肝に銘じ、自ら実践してほしい。


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