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避難者アンケート 県民一体の継続支援が必要2012年3月3日 
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 浮き彫りになった課題に真剣に耳を傾け、支援充実に努めるのが県民一人一人に課せられた役割だ。
 琉球新報社は昨年3月11日に発生した東日本大震災から1年を迎えるのを前に、宮城、岩手、福島からの県内避難者を対象にアンケートを実施した。
 回答者のうち約7割の世帯が「古里に帰りたいが、不安がある」と答え、今後の沖縄への滞在期間は「永住」も含め、2年以上の滞在を決めている世帯は4割超もいた。
 東京電力福島第1原発事故の放射能汚染による影響を心配する人が多く、震災から1年を迎えようとしても、被災者を取り巻く厳しい経済状況、遠く古里を離れ生活を送る状況下での精神的不安が明らかになっている。
 まず、国と東京電力は不安の元凶となっている原発事故の完全収束に一層努め、放射性物質の徹底した除染作業に取り組み、自然、生活環境を回復させることに全力を挙げるべきだ。
 国民全てが安心して生活できる環境を1日も早く取り戻すためスピード感のある対応を求めたい。
 アンケートでは、沖縄が避難場所に適していると感じている世帯は9割を超え、知人らに沖縄への避難を勧めている世帯も3割以上あった。
 「住みやすい」「周りの人が温かい」など、沖縄の環境、支援が一定程度評価されていることが分かる。
 一方で、避難者は震災、原発事故の風化を恐れ、「支援の打ち切り」など経済面に大きな不安を感じている。さらに「被災者同士の交流」「精神的ケアの充実」などの必要性を訴えていることも判明している。
 行政やボランティア団体、県民が一体となって、避難者が何を求めているかを丁寧に拾い上げ、雇用の確保や就労・就学支援、交流促進、精神ケアなどを継続的に進めていきたい。
 今後も県内避難者は増加が予想される。定期的に避難者のニーズを調査し、その都度支援内容を再検討していく作業も必要だろう。
 県民一人一人が震災、原発事故に関心を持ち続け、より良い支援の実現のため、知恵を絞ることが何より重要だ。経済面や精神面で不安を抱えながらも長期滞在する決意を固めざるを得ない避難者たちを孤立させてはならない。


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