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福祉サービス 仕組みのもろさ痛感 金城さん(訪問介護士)2012年3月10日 
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金城さおりさん(右)が介護する小野寺賢一さん(中央)と、父親の光洋さん=8日、宮城県仙台市太白区

 【宮城県で玉城江梨子】千年に一度といわれた大津波の傷痕は障がい者福祉にも影響を及ぼしている。避難所や仮設住宅で生活するのが難しい障がい者は、自分たちで生活を守らなければならなかったが、福祉サービスが一時途切れるなど、弱者の生活を支える仕組みのもろさが浮き彫りとなっている。宮城県仙台市で訪問介護士をしている金城さおりさん(32)=那覇市出身=は「声を出したいけど出せない人、在宅で苦しんでいる人たちの声を聞いてほしい」と強調する。
 金城さんが週に2回訪問する小野寺賢一さん(29)は重度の肢体不自由だ。岩手県陸前高田市出身。自宅は津波で流されたが、賢一さんは、大学病院受診のため、父光洋さん(61)、母由美子さん(56)と仙台市にいた。そのおかげで津波の難を逃れた。
 病院が近く、賢一さんの弟夫婦がいることから、4月から仙台市内でアパートを借り生活をスタートしたが、すぐに問題に直面した。福祉サービスのほとんどが市町村単位。光洋さんが役所に「今までの支援と同じ支援が受けられるか」と問い合わせると「県が違うから難しい」という回答が返ってきた。「陸前高田市は役所が流された。転出届を出そうにも出せないのに」
 障がいのある人にとって福祉サービスは生活に不可欠なもので、切れ目があってはいけない。しかし、それが切れた。陸前高田市で利用していたヘルパーも、デイサービスも、おむつなどの給付も受けられなくなった。秋ごろになってようやく、被災地に関しては住所を移さなくても福祉サービスが使えることになり、仙台市のサービスを使えるようになった。
 光洋さんは「やっと平穏な生活になった。障がい者本人や家族にとって頼れるのは福祉事務所。災害がなくても障がい児(者)の家族は社会のいろんな場面で、壁を抱える。柔軟な対応がほしい」と訴えた。
 金城さんは「法律、規則で身動きがとれなくなることが福祉の現場では多い。在宅でこもってしまうと本人も介護者もストレスがたまるばかりか、生きる意欲までも失われる危険性がある。声を上げにくい人たちの声をすくい上げ、柔軟、迅速に対応することが必要」と指摘した。


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