社説 RSSicon

シリアの虐殺 弾圧中止へ安保理決議急げ2012年3月14日 
このエントリーをはてなブックマークに追加

 シリアのアサド政権による武力弾圧が激しさを増している。
 英国を拠点とする「シリア人権監視団」によると、シリア西部ホムスで11日夜、子ども25人と女性20人がアサド政権支持の民兵集団「シャビーハ」に虐殺された。ばらばらにされた少女の遺体や一部の女性は殺害前に暴行された形跡もあったと伝えられる。
 国際社会は暴力停止に向けた有効な解決策を早急に見いださなければならず、もはや一刻の猶予も許されない。
 「アラブの春」の民主化運動がシリアにも波及した昨年3月以降、アサド政権側の弾圧による犠牲者は5千人を超すとされる。今回、虐殺のあった地区は反体制活動が活発だったとされ、政権側の見せしめ行為である可能性も否定できないという。
 武力弾圧に歯止めをかけなければならない国際社会が分裂し、対応が定まっていないことも、アサド政権の暴走を助長している一因だ。国連安全保障理事会ではロシアと中国が拒否権を行使し、シリア非難決議案を2度にわたって否決した。
 拒否権の背景には、ロシアと友好関係にあるシリアに、ロシア海軍が使用できる基地があるなど軍事的重要度が高いことがある。一方、チベット問題などを抱える中国は、内政干渉につながる動きには反対の立場を取るためだ。
 弾圧を続けるアサド政権は「テロ行為への鎮圧行動」と正当化する姿勢を崩していない。ロシアも「非武装の人々ではなく、戦闘部隊やテロ行為に関わっている過激派と戦っている」と政権側を擁護してきた。
 だが、ホムスの虐殺を目の当たりしてもなお、幼い子どもや女性がテロ行為に関与していたと強弁できるだろうか。
 ロシアと中国は、自らの利益を優先して拒否権を行使し続けることが、虐殺を助長していると自覚すべきだ。
 アナン前国連事務総長は10〜11日、国連とアラブ連盟の合同特使としてシリアを訪れ、初の現地調停に臨んだが、暴力停止など成果は得られなかった。ホムスの虐殺はアナン特使が帰国した夜に発生した。
 国際社会をあざ笑うかのような挑発行為は許されない。中ロを含め国連常任理事国は虐殺の実態を直視し、暴力の即時停止に向けた安保理決議を急ぐべきだ。


次の記事:>>
アイコン 今日の記事一覧 アイコン 今月の記事一覧 アイコン 最近の人気記事


関連すると思われる記事

powered by weblio


社説一覧


過去の記事を見る場合はこちらをクリックするか、 ページ右上のサイト内検索をご利用ください。