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思いやり予算 被災地の復興に充てよ2012年3月14日 
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 大盤振る舞いという言葉がこれほどふさわしい税金の使途はほかに少ない。在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算のことだ。
 防衛省は、1978年度に始まった思いやり予算のうち、79年度〜2011年度の在沖米軍基地の施設整備費(FIP)が5556億円に上ることを明らかにした。
 整備件数の最多は家族住宅で1326億円に上る。1戸当たりの延べ面積は約150平方メートルで、基地外の民間地の一戸建て住宅平均の約2倍の広さに当たる。思いやり予算が米兵や家族の居心地の良さにつながり、沖縄の過重な基地負担を下支えしている実態が浮かび上がった。
 そもそも思いやり予算は、日米安全保障条約に基づく日米地位協定上、日本に支払う義務はない。
 東日本大震災で膨大な財政需要が見込まれる中、政府は思いやり予算の大幅減額に切り込むべきだ。
 米空軍嘉手納基地内に2010年、生徒数約600人の中学校ができた。用地面積16ヘクタールは、太平洋の米軍基地内の中学としては最大だ。整備費用の40億円は生徒数が同規模の県内中学校のほぼ2倍。専用の400メートルトラックやサッカー場まであり、豪華さが際立つ。
 同じ年の春には、沖縄市に135億円を掛けて18ホールの米軍専用ゴルフ場がオープンした。返還された泡瀬ゴルフ場(47ヘクタール)の代わりだが、面積は3・6倍に膨らみ、カジノバーまで造られた。
 財政難にあえぐ米政府の予算であれば、これほどぜいたくな施設にはならなかったはずだ。
 日本政府は1978年度から在日米軍に対して「思いやりをもって対処する」(金丸信防衛庁長官=当時)という珍妙な論理で、基地従業員の給与を肩代わりした。
 87年以降の特別協定は、本来は米側が支払うべき基地従業員の給与や光水熱費、訓練移転費などにまで際限なく支払うようになった。
 日本が負担する駐留米軍経費は他国に比べ、群を抜いて高い。だが、米国は中国などの軍事情勢を挙げて増額圧力を強め、在日米軍再編見直しに絡む経費負担増も求めかねない。
 11年度から15年度までの期限で1兆円近い思いやり予算が国会承認されたが、再交渉を求めたい。 東日本大震災の復興は、駐留経費をめぐり連綿と続く対米従属を断つ好機だ。思いやり予算を被災地支援に充てるべきだ。対等な日米関係を築く上でも大義がある。


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