外務省は安全保障政策の説明でよく「我(わ)が国の安全と繁栄を維持し、国民の生命と財産の安全を守ることは政府の責務」だという。だが、沖縄に対し、その責務が果たされているとは到底思えない。
米軍普天間飛行場の県内移設やオスプレイ配備に反対する民意が無視されている現状を見れば明らかだ。こうしたひずみをなくす大局観、実行力を各党に求めたい。
選挙公約を見ると、日米安保体制について、民主、自民、公明、日本維新、みんな、新党大地、国民新党、新党改革の8党は、「堅持」「強化」「深化」「基軸」など表現こそ異なるが、「日米同盟」重視の姿勢が鮮明だ。
日本未来は「独立国家としての責任に基づいた日米関係を構築」「東アジア外交を重視」を掲げる。共産は「日米安保解消」、社民は「国連中心の外交」を追求。新党日本は日米安保に言及していない。
戦後日本外交が国民を置き去りにし、対米追従を繰り返してきたことは論をまたない。各党は、安保の矛盾と真剣に向き合うべきだ。
日米地位協定を公約前面に掲げた政党は少ない。共産「抜本改定」、みんな「改定提起」、社民「全面改正」、国民新「改定」ぐらいだ。他の党は、党中央の重点政策としては「地位協定」を取り上げていない。米軍、米兵に特権的地位を保障する「地位協定が諸悪の根源」と捉える県民の危機感と、各党の認識に隔たりがある。
尖閣諸島問題では、自民は法整備による実効支配強化など強硬姿勢をにじませる。維新も実効支配強化のため「海防力強化」を掲げる。
民主は海上保安庁などの警備体制拡充を、公明は「毅然(きぜん)たる戦略的外交」、共産、みんな、社民、国民新も外交的解決を重視する。
各党に強調したい。領有権問題は軍事力ではなく、あくまで外交で解決すべきだ。東アジアで「外交の敗北」を意味する武力衝突を引き起こしてはならない。不幸な戦争の教訓にしっかり学ぶべきだ。
戦後日本の外交・安保政策は、国連中心、自由主義諸国との協調、アジアの一員としての立場堅持の「外交三原則」と、専守防衛、軍事大国にならない、非核三原則、文民統制確保の「国防の基本方針」を両輪に展開してきた。
国是を守るのか破棄するのか、軍縮・平和外交を強化するのか。各党は選択肢を明示すべきだ。
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