経験豊富で指導的立場にあるベテランが指導者の方針を守らないようでは、組織は立ち行かない。
在沖米軍兵士と軍属が相次いで飲酒運転絡みの追突事故を起こし、逮捕された。いずれも40代の中堅だ。またかという印象よりも、もうどうしようもないのかという諦念が先に立つ。あきれ返った県民が多かろう。
仲井真弘多知事が「軍隊で決めていることの実効性はどうなっているのか」とぶちまけたが、規律が守られない軍隊ほど、危うい組織はない。
基準値の6倍に及ぶアルコールが検出され、酒気帯び運転の容疑で逮捕されたのは空軍の41歳の先任曹長だ。追突事故の発生時間は午前0時前で、深夜外出禁止令を破っていたことが濃厚だ。
家で飲酒した上、通勤途中だったと供述している。軍事優先に偏重する日米地位協定を字面通りに解釈すれば、通勤時だったなら、公務中の飲酒運転となる。
もう1人の46歳の軍属は、酒を飲んで白昼に追突事故を起こし、逃走した後、逮捕された。
米本国で飲酒運転で検挙されれば、後ろ手錠で拘束される。母国なら、軍人が酒を飲んで車を持ち出し、勤務先に向かうだろうか。
米兵の血であがなって獲得した島とみなし、県民の命を軽んじる、占領意識を帯びた意識が染み付いていないか。そんな疑念が浮かぶ。
態度の乱れを正して厳格にすること−。米軍事件・事故の度に繰り返される「綱紀粛正」の意味を広辞苑はこう記す。沖縄の米軍関係者の「綱紀」が改まる兆しはなく、事件・事故に歯止めをかけることができない空虚な号令に映る。
昨年10月の海軍兵による女性集団暴行致傷事件、住居侵入中学生傷害事件などを受け、在日米軍は深夜外出禁止令を敷いた。
今回、逮捕された2人は、基地外に居住している。規律順守の目を擦り抜けやすい基地外居住者にどう決まり事をどう徹底させるかという問題点も照らし出している。
飲酒運転撲滅は沖縄社会を挙げた課題である。県警は県民のみならず、米軍に対しても飲酒運転を絶つ働き掛けを強めている。
これ以上、飲酒絡みの不祥事が続けば、県民は諸悪の根源は基地の存在そのものとみなすだろう。最低限の規律さえ全うできないなら、沖縄の米軍がこだわる「良き隣人」を掲げる資格はない。
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