公的年金制度に対する不安や不満が高まる中、県内在住の外国系や外国籍の人たちの間でも、年金問題に対する関心が高まっている。公的年金への加入は外国人も法的に義務付けられている。しかし、窓口となる市町村の担当課では、制度について十分な説明が行われていない上、外国語の通じる相談窓口もない。業を煮やした外国系の人たちの中には自治体に協力を依頼し、年金に関する独自のセミナーを開くグループも。外国人らの要望を受け、担当課以外で勉強会を企画する自治体も出てきた。(上原あやの)
沖縄市では1月21日、県内に在住するフィリピン系人らで組織する「日本国籍フィリピン人協会」の要請を受けて国保年金課が初の外国人向けの英語による年金セミナーを実施した。
同市の外国人登録者数は、那覇市に次いで2番目に多い1228人。同課には外国語を話す人が、毎月1人程度窓口相談に訪れている。
同課には英語を話せる職員がいないが「大抵の場合は通訳を伴って窓口に来るので、事務に支障はない」と同課。しかし、年金セミナーに参加したアメリカ人やインド人ら約50人の外国人らからは「年金の目的は何か」「日本国民にだけ受給資格があるのか」といった基本的な質問が相次ぎ、年金制度の周知不足が浮き彫りとなった。
外国人からの要望を受けた同市文化観光課は今月23日、市内在住の外国人らを対象にした年金制度についての勉強会を予定している。
日本国籍フィリピン人協会の目取眞呂芽雄会長(56)=沖縄市=は「母国に帰った外国人が、資格を満たしていれば支給される脱退一時金のことも、ほとんど知られていない。外国人らにも日本人と同じように年金制度に対する不安や不満があるが、それをぶつける場所すらない」と指摘。
その上で「将来への不安を感じている人たちが多い。年金制度について理解を深めるための勉強会をこれからも自治体に要望していきたい。外国人に年金制度を根付かせるためには、続けなければ意味がない」と話す。
沖縄社会保険事務局は「ほか(日本人)の被保険者との区別をせず同じ扱いをしているために、(外国人らに)戸惑いがあるのではないか。説明会開催は、要請があればやぶさかではなく、むしろ喜ばしいことだ」と話している。
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