北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は合意文書を取り交わしたものの、非核化に向けては予断を許さない状況にある。そんな中で合意を優先した米国の譲歩姿勢が浮き彫りになりつつある。
米国が北朝鮮に譲歩した背景にあるイラク政策でも、2万人の増派しながらも、思うような成果がなかなか見えず、大国・米国は苦悩している。
先の6カ国協議の合意文書案に当初「高濃縮ウランによる核開発の放棄」が明記されていたが、北朝鮮の反発で、米国も了承の上で削除されたという。
2002年のウラン濃縮計画表面化が現在の北朝鮮核問題の引き金になったのだが、そのウラン濃縮の追及を棚上げにしての合意だった。
6カ国協議では、北朝鮮の核放棄に向けた道筋を付けたとする米国だが、前途には難問が横たわる。北朝鮮としては、核実験後、米国がそれまで拒否してきた2国間協議に応じ、合意までこぎ着けたことに「核実験効果」を確信したことだろう。交渉の切り札ともなる“核”を簡単に手放すとは考えにくい。そこを切り崩すには協議会メンバーの5カ国をはじめとする国際社会の協力が不可欠だ。
日本が最も恐れるのは、「拉致問題の解決がなければ支援に応じられない」との基本姿勢を貫くことで孤立しないかだ。
これからの交渉の中で拉致問題の進展を期待したいが、問題は「緊張の連鎖から対話の連鎖」に転換させることができるかどうかにかかっている。
イラク情勢は、18日に首都バグダッドで爆弾を積んだ車2台によるテロがあり、少なくとも62人が死亡、129人が負傷するなど依然、混迷した状況が続いている。
バグダッドでは米、イラク軍による武装勢力の掃討作戦を展開しているが、宗派や民族間の対立が憎悪の連鎖を招き、今や手の付けられない内戦状態ともいわれる。
イラクの人たちからは治安悪化の最大の要因は「占領軍(米軍)の存在」との声もある。イラクと隣接するイラン、シリアは「反米」で結束を確認するなど、米国を取り巻く情勢はますます厳しくなるばかりだ。
厳しい状況にある米国のチェイニー副大統領が20日に来日する。米国のイラク政策に追従してきた日本だが、安倍政権はここらで米国のイラク政策を批判的に検証し、戒めるべき点は率直に伝えるべきではないか。
「かけがえのない同盟国」としての友好関係を維持することと、米国の外交、軍再編を含めた軍事政策に無批判に追従することとは同じではないはずだ。
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