「昭和」のイメージを問われれば、多くの人々が思い浮かべるのは「太平洋戦争」や「戦後の復興」であり、時に「経済成長」といった言葉であろうか。いずれも昭和という時代を読み解くキーワードだ。
今年から4月29日は、改正祝日法の施行で「昭和の日」に改められた。
その意義については「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とうたわれている。
昭和の日本がたどった歴史をつぶさに振り返る。良さも悪さもひっくるめてだ。そして、これからの国の在り方を考える。言うまでもなく、重要なことだ。異論を差し挟む余地はない。
ただし、単に「過去を顧みて将来を考える」だけでは、祝日の意義としては不十分だ。私たちの社会に求められているのは、過ちを認め、これを反省し、未来につなげていく姿勢ではなかろうか。
一言で言い表せば、正しい「歴史認識」である。こうした視点を欠けば希望のもてる建設的な国づくりなど期待薄だ。
昭和16年に始まった太平洋戦争は、人類滅亡の道を突き進んだ「血の歴史」であった。住民を巻き込んだ苛烈(かれつ)な沖縄戦。やがて迎える広島、長崎への原爆投下。犠牲は、国内はもとよりアジアの近隣諸国でもおびただしい血を流し、貴い人命を奪った。
戦後の日本が育て上げた民主主義は、多様な価値観を認め合うのが基本理念だ。根底には憲法の平和主義、基本的人権の尊重などがある。
国民の一人一人は非力だ。けれども小さな力は合わせれば大きな流れになる。
時代状況は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法案が国会で審議され、歴史教科書から「集団自決」をめぐる記述が修正されるなど、大きな流れが動きだしたかに映る。
平和で豊かで格差のない社会をつくるには何が必要か。どうあらねばならないのか。それぞれが思いをめぐらし、議論を交わす機運を呼ぶきっかけとしたい。
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